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Yahoo!の元CEO、Googleの元副社長、マリッサ・メイヤー(Getty Images)

故スティーブ・ジョブズやグーグル元会長兼CEOエリック・シュミットらが慕った師、ビル・キャンベルは、ミーティングでの採決を嫌い、「コンセンサス(合意)などクソくらえだ」と公言してはばからなかったという。

では、シリコンバレーでは伝説的な「ザ・コーチ」と呼ばれる彼は、意見が対立するときにどのように対処してきたのだろうか。

キャンベルの弟子たちにより、彼の教えを残すべく刊行された世界的ベストセラー『1兆ドルコーチ──シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え』から抜粋して紹介する。


意見がぶつかったときはどうする?


エリックはグーグルでの任期が終わりにさしかかったころ、幹部にありがちな問題に直面した。縄張り争いだ。

あるマネジャーが、自分のチームが担当するプロダクトのユーザー向けにモバイルアプリを開発しようとしたが、別のマネジャーが、それは自分のチームが開発すべきものだと主張した。数週間経ってもらちがあかず、最初は和やかだった話し合いもピリピリした空気になっていった。

エリックはチームがむずかしい決断を迫られたときは、いつも「二頭体制」と名づけた方法を採った。決定に最も深く関わる二人にさらに情報を集めさせ、二人で協力して最適なソリューションを考えさせるのだ。

二人はたいてい、1、2週間後に「こうしたらいいと思う」という方針を決めて戻ってきた。そしてチームはほぼ必ず、二人の決定に従った。それが最善の策だということは、多くの場合、一目瞭然だったからだ。

二頭体制は最適解をもたらすだけでなく、同僚意識を高めるというメリットもある。問題に対処する二人に解決方法を決める権限を与えるのだが、これは仲裁を成功させるための鉄則である。また対立を解決するために協力する習慣ができれば、その後も長いあいだにわたって連帯感を高める効果があり、意思決定によい影響をおよぼす。

ところが、このときはそうならなかった。二人の幹部は一歩も譲らなかった。エリックがビルにアドバイスを求めると、彼はこう返した。「『二人で決めろ、さもなければ私が決める』と言うんだ」

エリックは助言に従い、二人で決定するために1週間の猶予を与えた。彼らは合意に至らず、最後にエリックが介入して決定を下した。

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