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2020.07.28

洋上風力発電が地域への「追い風」となる 分散型エネルギーベンチャーINFLUX創業の狙い

星野敦/INFLUX 代表取締役社長

アジア全域で再生可能エネルギープロジェクトの開発を行ってきた、INFLUX代表の星野敦。世界が化石エネルギーから再生可能エネルギーへの転換を目指すなかで、日本においては洋上風力発電こそが鍵を握るという。



「洋上風力発電に無限の可能性を見つけました」

洋上風力発電の開発・オペレーションを行うINFLUX代表の星野敦は、2018年に同社を創業したきっかけを振り返った。星野は太陽光発電を中心に、再生可能エネルギーの事業に約10年間携わる。やがて、社会に役立つ事業をやりたい。地域の発展につながる、スケールの大きなエネルギーインフラ事業を手がけたいという思いが膨らんだ。

そんな星野に希望を与えたのが、洋上風力発電だった。安定的に強い風が吹く海に設置するため、大規模な洋上風力発電のコスト競争力は最大のメリットだ。しかも、森林の伐採や騒音問題も起きない。星野はその可能性をこう語る。「真の意味で、環境、社会そして地域を再生させるクリーンエネルギーなのです」

なぜ、いま、洋上風力発電なのか?


日本で馴染みのある再生可能エネルギーは太陽光発電だろう。一方、世界で主流なのは風力発電だ。再生可能エネルギーの発電量における風力発電の割合は、日本は6%なのに対し、世界全体は53%(16年調べ)。効率性、経済性に優れており、持続的かつ大規模なグリーン電力発電が可能だ。

日本で広まってこなかった理由は大きく2つ。まず、陸上風力発電の開発に適した山岳地帯はすでに開発済みであることが多く、輸送用の新たな林道の建設などコストが高い。さらに土地があったとしても、人口密度の高い日本では、民家から数百メートル圏内に陸上風力発電所が建てられるケースも少なくなく、テレビ電波障害や景観等の問題が懸念されているのだ。

一方、洋上風力発電は広大な海上に建設できるので開発のポテンシャルが大きい。太陽光発電の賦存量が150GW、陸上風力発電が300GWなのに対して、世界6位の排他的経済水域を誇る日本の洋上風力発電は1,600GWと5倍以上。さらに、地域の生態系、住民の生活の安心にくわえ、経済の繁栄などさまざまな観点から共生が可能だ。

19年4月に政府が、洋上風力発電の整備において海域の利用を促進する法律「再エネ海域利用法」を施行するなど追い風が吹いている状況だが、新規参入のハードルは高い。

「ひとつのプロジェクトの事業費に数千億円規模の資金が必要です」

参入企業として、東京電力、J-Powerなどの大企業の名前が目立つのは自然なことだろう。ベンチャーであるINFLUXは、世界有数の資産運用会社からの投資と資産リサイクルにより、大規模洋上風力発電の持続的な開発を可能にしている。

INFLUXでは現在、北海道2カ所、青森、佐賀、長崎、鹿児島の計6カ所の洋上風力発電プロジェクトを進めている。欧州の同分野の関連企業に勤務していたグローバルな知見を持つ社員に加え、洋上風力発電に長年の経験を有す海外パートナーを通じた豊富なオペレーションノウハウも活用する。

INFLUXが開発中の洋上風力発電所建設予定地


洋上風力発電事業と、ブルーカーボン普及、そして既存の漁業等海洋産業との調和をとりながら、地域のサステナブルな成長を追求する。

洋上風力発電は地域のグリーンリスタートにつながる


「現在、人口の減少が著しい地方が少なくありません。コロナショックでインバウンド需要が低迷する中、洋上風力発電は、地域の起死回生の策になり得ます」 

星野は力強くそう語る。日本風力発電協会の試算によれば、洋上風力発電が毎年1GWずつ投資され、合計10GW導入される場合、地域の雇用創出は約8.5~9.5万人、累積経済効果は13〜15兆円といわれる。一方、海の先行利用者である漁業関係者の理解・協力は不可欠だ。INFLUXでは、地域経済に寄り添うことを徹底。そして環境への配慮と保全を目的とした事業部『IFAI(Influx Fulvic Acid Iron)』を設立した。

「僕らが大切にしているのは、地元住民の皮膚感覚に伝わる話し合い。洋上風力発電の設置には、地元住民の海への想いに寄り添うことが必須です」

INFLUXでは、漁業協調の一環として、また、地球温暖化対策を行うために、「フルボ酸鉄」を人工的につくっている。フルボ酸鉄は「森から海への贈り物」と呼ばれる、森林の腐葉土に含まれる化合物。雨によって川から海中に溶け込み、海藻や植物プランクトンの養分として吸収されるが、ダム建設や浚渫により自然のフルボ酸鉄が海に流入しないため、海藻が繁殖しなくなる「磯焼け」が日本各地で発生している。INFLUXではフルボ酸鉄を活用し、海藻を育て、豊かな漁場となる藻場の再生に取り組んでいる。

星野は、藻場の再生はブルーカーボンの普及、ひいては地球温暖化の抑制につながると説く。ブルーカーボンとは、海洋生態系によって蓄積される炭素のこと。藻場は、地球上に排出される約30%のCO2を吸収・貯蓄する“ブルーカーボンの工場”となるのだ。

水素活用の社会実装も見据えて


洋上風力発電も利点ばかりではない。風の弱い季節には発電量が減り、強風の際は安全のため風車が停止するなど、発電量の変動が大きいのだ。

「洋上風力発電の主力電力化に重要なのは、発電量の均一化。そのために有効なのは、水素による長期的な貯蔵です」 

再生可能エネルギーによる水素製造は、製造・使用時に二酸化炭素を発生させない究極のクリーンエネルギーで「グリーン水素」と呼ばれる。INFLUXでは、既に欧州で商用化中のグリーン水素の製造並びに水素を利用したグリーンケミカルの製造等により、電化ができない産業も含めた全産業のゼロエミッションを実現していく。

「洋上風力の投資・経済波及効果で雇用を生み、次世代のスマート漁業をサポートする。余剰電力で水素を貯蔵し、災害時の非常用電源にも利用する。カーボンフリーの港により、水素を通じた地域のマイクログリッドをつくる。僕らは、洋上風力発電をフックに、地方創生の新たな仕組みをつくりたい」

新型コロナウイルスにより、地方の経済は大打撃を受けている。INFLUXは脱炭素社会の実現による地域復興グリーンリスタートを計画し、そのモデル地区として九州を選んだ。「水素アイランド」を目指している九州では、九州大学を中心とする福岡水素エネルギー戦略会議、トヨタ宮田工場で再生可能エネルギーを利用した燃料電池の実証試験が行われている。

「産官学の連携の下、水素社会のモデルケースとして九州が世界へ発信できるよう、後押しをします」最後に星野は、世界を見据えた展望をこう語った。

「ゼロエミッションを通じ世界を変えるため挑戦と進化を続け、世界一のプロアクティブリードデベロッパーを目指します」



2019年4月に洋上風力発電普及法が施行。同年12月千葉県銚子市沖、長崎県五島市沖など、4区域が発電施設を優先的に整備できる「促進区域」に指定された。今後も促進区域の選定が行われる。(写真は参考イメージ)


INFLUX
http://influx-inc.com/


星野敦◎INFLUX 代表取締役社長。日本の電力買い取り制度が始まった2012年から太陽光事業に身を投じ、延べ約1GWの再生エネルギープラントの開発に寄与。インド、韓国をはじめグローバルな舞台でも、3GW以上のメガソーラー発電所を展開。陸上風力発電、洋上風力発電などのプロジェクトも推進する。

Promoted by INFLUX / text by Issei Tanaka / photograph by Naoto Hayasaka (Y'sC) / edit by Tsuzumi Aoyama

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