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写真左よりTECH PLAYER AWARD審査員の石山洸、小野和俊、名村卓

テックプレイヤーのダイナミックな発想が歴史を塗り替えていく「TECH PLAYER AWRAD 2020」受賞者決定後、審査員を務めたエクサウィザーズ代表の石山洸、クレディセゾンCTOの小野和俊、メルカリCTOの名村卓が本アワードを総括した。


ピンチのときこそ輝くテックプレイヤー

石山洸(以下、石山):テックプレイヤーと聞くと、台湾のデジタル大臣オードリー・タン氏の顔を思い浮かべる人は、いま、とても多いのではないしょうか。新型コロナウイルス感染症で世界が混乱するなか、デジタルを駆使し、素晴らしい手腕でウイルスの封じ込めに成功しました。台湾ではマスクの買い占めも、医療品の品切れも起きなかった。人々をよい方向に導くクリエイティブ・クラスの活躍にスポットが当たったことで、テクノロジーが何のために存在するのか、誰もがはっきりと気づかされたはずです。


「上原直人君のような人材がこのアワードで表彰されたのは意義がある」と石山洸

小野和俊(以下、小野):今回のコロナショックで、「あれば便利」程度でしかなかったテクノロジーに対して、「社会にとって絶対に必要」と、マインドを変えた人たちが明らかに増え始めましたよね。同時に企業サイドもテレワークによって、社内に優秀なテックプレイヤーがいると、危機的な状況でも事業を大きく前進させることができるということがわかった。そんな渦中に、「TECH PLAYER AWARD 2020」が、今年、初めてスタートしました。日本にも脚光を浴びるべき人たちがいることをきちんと伝えられる場が生まれたのは、タイミングとしてもとてもよかったと思っています。


「ティアフォーさんがテクノロジーの可能性を広げてくれた」と小野和俊

名村卓(以下、名村):審査員としてこのアワードで、「ニチガス」さん、「ゑびや」さんを、僕は強く推薦しました。伝統があり、知名度もある業界の雄がテクノロジーを活用して、社会のためになる秀逸なサービスを生み出した。コロナ禍でもまったく動じることがなかったと聞いて、とても頼もしく感じました(※選考は2月時点で終了)。今後、コロナに限らず社会を変容させる出来事はたくさん起きるでしょう。そういうときに、時流に合わせて自らも変わっていける、そんな企業、人が日本、ひいては世界をリードしていくのではないでしょうか。

石山:同感です。スタートアップではなく、伝統企業が体質を変え、社会にお手本を示すほうがインパクトも凄い。一方で素晴らしい未来を創造するには、若者の力も絶対、必要です。そういう意味でも上原直人君のような人材がこのアワードで表彰されたのは意義がある。そういえば、メルカリは学生にも勉強の場を与えているようですね。

名村:高校生インターンが働いてくれていますが、とても評価されていますよ。ここ数年、特に感じるのは中高生、大学生のプログラミングスキルがとても上がっていること。そういう人材をいかに見つけ、報酬面も含めてどのように活躍の場を与えるべきか、企業サイドはこの課題に対して、答えを示さなければなりません。


「コロナ禍での「ゑびやさん」の挑戦は、これからのDXの方向を示した」と名村卓

日本のテックプレイヤーのポテンシャル

石山:一昔前のテックプレイヤーはその技術力が注目されていましたが、本アワードでは社会実装という点を重視しました。「ティアフォー」さんや「任天堂」さんがまさにそうですが、最先端のテクノロジー、UXで世界を変えられることを証明した企業が日本からもいよいよ出てきましたね。

小野:デジタル・ディスラプションが起きているいま、両社はテクノロジーの可能性を広げたテックプレイヤーだと言えそうです。「世界を大きく変える」「とんでもない体験をユーザーに与える」、ダイナミックな観点でテクノロジー、テックプレイヤーを捉えれば、どんな企業でも自社の成長に可能性を見いだせるはずです。

名村:まさにそのとおりで、アワードを開催する意義もそこにあると思っています。米アカデミー賞のように表彰された企業、人を目標に、自分たちもそこを目指そうというループを生みだしたいですね。応分のスキルがあれば、誰にでもチャンスがある、そんなアワードに育ってほしい。

小野:事実、業種、年齢を問わず、誰にでも賞を獲れるチャンスがあるのが、本アワードの最大の魅力です。著名な企業、人物だけが対象ではない。極端なことを言えば、小学生が表彰される可能性だってあるわけです。

石山:来年のアワードが待ち遠しいですね。



「TECH PLAYER OF THE YEAR 2020」11人の審査員
(50音順/敬称略)



石山洸 いしやま・こう◎エクサウィザーズ代表取締役社長。東京工業大学大学院修士課程修了。メディアテクノロジーラボ所長、RecruitInstituteofTechnology初代所長、デジタルセンセーション取締役COOを歴任。

漆原茂 うるしばら・しげる◎ウルシステムズ代表取締役社長。東京大学工学部卒。スタンフォード大学客員研究員を経て、ウルシステムズを起業。クラウドや大規模分散トランザクション、戦略的ITの実現に取り組む。


及川卓也 おいかわ・たくや◎Tably代表取締役TechnologyEnabler。早稲田大学を卒業後、日本DECに就職。マイクロソフトにてWindows製品の開発、GoogleにてChromeのエンジニアリングなどを行う。2019年、Tablyを設立。


小野和俊 おの・かずとし◎クレディセゾン常務執行役員CTO。大学卒業後サン・マイクロシステムズに就職し、シリコンバレー本社で開発を経験。その後24歳でアプレッソを起業し、DataSpiderを企画・開発。2020年より現職。


田子學 たご・まなぶ◎エムテド代表取締役/アートディレクター。東芝にて家電、情報機器に携わり、リアル・フリート(現アマダナ)に参画後、MTDOinc.を起業し、デザインマネジメントを実践。慶応義塾大学大学院特別招聘教授。


田中邦裕 たなか・くにひろ◎さくらインターネット代表取締役社長。さくらインターネットを学生起業。2015年に東証一部上場。18年よりIPA未踏プロジェクトマネジャー。アイモバイル、i-Plug、ABEJAの社外取締役。


坪田朋 つぼた・とも◎dely執行役員CXO/BasecampCEO。livedoor、DeNAなどで多くの事業やUIUXデザイン領域の組織を立ち上げる。デザインファーム「Basecamp」を創業し企業の事業創出を支援。2019年より現職。


常盤木龍治 ときわぎ・りゅうじ◎パラレルキャリアエバンジェリスト/プロダクトデザイナー/軍師。AI/IoT/Cloud/LeanUX等を得意とし、数多のNo.1シェアプロダクトに携わる。沖縄ITイノベーション戦略センターアドバイザリーフェロー。


友岡賢二 ともおか・けんじ◎フジテック常務執行役員デジタルイノベーション本部長。松下電器(現パナソニック)にて独英米に計12年間駐在。ファーストリテイリングを経てフジテック入社。一貫してIT構築に従事。


名村卓 なむら・すぐる◎メルカリ執行役員CTO。サイバーエージェントにてメディアやソーシャルゲームなどの新規事業立ち上げを担当。2016年にメルカリ入社。USに出向し、USのサービス開発を担当。17年CTO就任。


八子知礼 やこ・とものり◎INDUSTRIAL-X、INDUSTRIAL-XSECURITY代表取締役社長、ウフルチーフ・イノベーション・オフィサー。松下電工(現パナソニック)にて通信機器の開発に従事後、複数のコンサルティング会社を歴任。



なぜ、いま、テックプレイヤーに光を当てるのか 〜 本アワードを終えて 〜
パーソルイノベーション代表取締役社長 高橋広敏


高橋広敏

「いまよりもずっと素晴らしい未来を創りたい」人は誰しも、そんな想いを抱きながら生きていくものではないでしょうか。

ここ数年、デジタイズ、AI、DX、オープンイノベーションといったビジネスの進化の必要性が盛んに叫ばれています。自分たちの既得権益を守るだけではなく、テクノロジーや新たな手法を活用し、世界を、社会をよりよくしていこうという前提に立った、優れたビジネスモデルの創造が強く求められているのです。

新しい何かを生みだすためには、失敗を恐れないチャレンジ精神をもたなければいけません。その一方でそのチャレンジが本当に社会から必要とされているのか、合理的な思考をもつことも要求されます。その双方を兼ね備え、テクノロジーを活かして強力な推進力でイノベーションを起こしていける人材こそが、テックプレイヤーです。


パーソルイノベーション・テックプレイカンパニー、事業責任者の片岡秀夫(中)とコミュニティマネジャーの鳴釜優子(右)、ビジネスプロデューサーの武藤竜耶(左)。

「TECHPLAYERAWARD2020」は、そんなテックプレイヤーにスポットライトを当てることで、たくさんの人々に「自分たちだって世界にインパクトを与えられる」ということを喚起したい、そんな想いからスタートしたプロジェクトです。

人間性も素晴らしい受賞者、審査員の請願、ご支援をいただいた多くの方々の手によって、本アワードは華やかな式典はなくとも、非常に意義深い者となりました。私たちパーソルイノベーションは、「今よりも素晴らしい未来を創る」ためにも、今後さらにこのアワードをアップデートさせていく使命感に駆られています。


たかはし・ひろとし◎1969年大分県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、インテリジェンスへ入社。2008年、代表取締役社長執行役員に就任。パーソルホールディングスとの合併を経て、13年より同社取締役副社長。18年より、パーソルイノベーション代表取締役社長を兼任

Promoted by パーソルイノベーション/ text by Hiroshi Shinohara / photographs by Shuji Goto / edit by Akio Takashiro

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