同社はEメールで開示した声明で、2020年上半期の売上が4540億元(約6兆9600億円)に達したと述べた。このうちモバイルキャリア事業の売上が1596億元で、エンタープライズビジネス部門が約363億元を占めていた。しかし、売上の柱は従来と変わらずモバイル端末やタブレットなどのコンシューマ部門であり、2558億元の売上を叩き出していた。
これらの数値の全ては、前年の同期間の数値を上回っており、売上は前年同期比で13.1%増を記録した。年間の伸び率はここ数年の水準を下回ったもの、新型コロナウイルスのパンデミックや、ファーウェイをセキュリティ上の脅威とみなす米国政府による制裁措置を受けつつも、この業績を達成できたことは注目に値する。
しかし、売上のみに注目していては、状況を正確に把握できないだろう。ファーウェイは今年、これまで以上の新機種をスマホ市場に投入することで、コンシューマ部門の売上を維持している。同社は2020年に入り15機種の新型端末を投入し、その大半をHonorシリーズとしてリリースした。
ファーウェイはさらに2機種の超プレミアム端末を投入した。2400ドルの折りたたみ式端末のMate XSと、1500ドルのP40 Pro+だ。同社の業績を把握する上で、より重要なのは純利益率だ。ファーウェイの2020年上半期の純利益率は9.2%で、昨年の8.7%をやや上回ったものの、アップルの直近の純利益率の23%と比較すると、かなり見劣りすることは否めない。
ファーウェイが今年の下半期にどのようなパフォーマンスを示せるかに注目したいところだ。同社はここ数年、次から次へと迫りくる政治的な課題に直面しており、トランプ政権は今年5月にまた新たな禁止措置を発表し、半導体メーカーがファーウェイに部品を提供することを禁止した。
今回の制裁措置は、米国がグーグルに対しファーウェイへの技術協力の停止を命じてから約1年が経過したタイミングで発動された。英国政府も、5Gネットワークからファーウェイの通信機器を締め出そうとしており、これが実施に移されればファーウェイのキャリア事業に多大な影響を及ぼすことになりそうだ。