ゴールドマンのリサーチャーらは、バイデンの法人税増税によりS&P 500種企業の1株あたり利益が12%減少し、1株170ドルから1株150ドルに落ち込むと予測した。
この予測は、バイデンが導入する見通しの複数の政策をベースとしたものだ。彼は、企業の国内利益に課される連邦税の税率を7%引き上げて28%にし、国外利益に最低15%の税金を課そうとしている。また、高額所得者を対象とする新たな給与税を設ける考えだ。
ゴールドマンのアナリストらはバイデンによる増税が、2017年のトランプ減税が企業にもたらした利益にマイナスの影響を与えると予測している。
しかし、バイデンは7月9日に米国製品購入などに7000億ドル(約75兆円)を支出する景気浮揚策を打ち出しており、ゴールドマンはこの政策が新たな経済成長を引き起こす可能性を指摘した。
ゴールドマンのアナリストらは、秋の大統領選で民主党が勝利する確率が今年2月以降に、大幅に高まったと指摘し、勝率が50%を超えていると述べた。
トランプが実施した減税は、ここ最近の株式相場の急成長を牽引した主要因であると考えられているが、バイデンはこの減税を撤廃し、新たな企業税で1兆ドルの税収を確保しようとしている。しかし、パンデミック後に米国企業が大幅な減収を記録した後も、株価の上昇が続いている背景に、トランプによる減税政策があることは否定し難い。
投資家や富裕層の多くは、公の場でその立場を明かさないにしても、トランプや彼の減税政策を支持している。
ここで注目すべきは、間もなく開示が始まる各企業の第2四半期の決算だ。直近の企業のパフォーマンスを確認することで、世界経済がパンデミックから立ち直りつつあるのか否かを知ることが出来る。