彼女は、話し方や仕草、人一倍負けん気の強い性格まで父コービーにそっくりだった。イタリア語とスペイン語を流暢に話したコービーと同様、ジアナも中国語の読み書きができ、スペイン語を話した。父のように賢く、そしてスポーツの才能にも恵まれた彼女のことを、世間は女子バスケットボール界の新たなヒロインとして期待していた。
かつてコービーはジアナについて聞かれた際、こう語っている。「バスケットボールの遺伝子は、完全に、すべてジアナに引き継ぎました。彼女がやってくれます」。
コービーは彼女の所属するバスケチームのコーチを自ら引き受けた。そして、心から彼女とチームの活躍を願っていた。
2009年6月、オーランドで行われたNBAファイナルゲームで撮られたコービーと次女のジアナ。
しかし、ジアナがプロになり活躍するようになる前に、二人は帰らぬ人となってしまった。
「神様も、彼らは離れ離れになれないことを知っていた。そして、一緒に天国に連れてくる必要があったのでしょう」
二人の告別式で語った妻ヴァネッサの言葉に、多くの人が同意した。そう思わずにはいられないくらい、二人は一心同体であり、同じ夢を追い続けていたのだ。
コービーが抱える多くのファンたちや、コービーに憧れ、日々バスケに励むプレイヤーたち、ジアナの懸命な姿を見てきたチームの仲間たち──。コービーが描いた未来像は、ジアナと同じく「マンバ」の意思を受け継いだ次世代の中に生き続けていく。
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