最後は「甘い言葉」で締める
僕らの友人のクリステン・ブリランテスは、断るとき「サワーパッチキッズ」と呼ぶ方法を使っている。クリステンの返事は、あのグミキャンディーのように、最初は酸っぱく最後は甘い。
たとえば、「残念だけど、うちのチームは参加できない。でもチームXに聞いてみたら? そのイベントにぴったりのチームだよ」など。
クリステンによれば、肝心なのは最後の甘い部分をただの甘言にせず、本当のことを言うことだそうだ。そのプロジェクトに関心を持ち、有能で、招待を願ってもないチャンスと受け止めてくれそうな人に引き合わせるよう努め、それが無理なら励ましや感謝の言葉をかける。「私のことを考えてくれてありがとう」「とても楽しそうだね」などの簡単な言葉でも気持ちは伝わる。
僕らは何者で、これはいかなる本か?
僕らはジェイクとJZだ。イーロン・マスクのようなロケット開発をしている大富豪でもないし、ティム・フェリスのようなハンサムな教養人でも、シェリル・サンドバーグのような天才的経営者でもない。
時間管理法の本といえば超人が書くものか、超人について書かれたものと決まっているが、この本には超人はいっさい登場しない。僕らは読者のみなさんと同じ、ストレスにやられたり気が散ったりする、あやまちを犯しがちなふつうの人間だ。
僕らがちょっと変わった視点をもっているのは、長年テクノロジー業界でGmailやYouTube、グーグル・ハングアウトなどのプロダクトの構築に関わってきたプロダクトデザイナーだからだ。
僕らはデザイナーとして、抽象的なアイデア(「メールが自動的に振り分けられたらよくないか?」など)を現実世界の解決策(Gmailのプライオリティボックスなど)に変える仕事をしてきた。そのために、テクノロジーが生活のなかでどういう位置づけにあり、生活をどう変えているのかを理解する必要があった。
この経験をとおして、スマホやラップトップ、テレビなどにあふれている便利なサービスはなぜこんなに魅力的なのか、こうしたテクノロジーに主導権を奪われないようにするにはどうしたらいいかについて、僕らなりの考えをもつようになった。
※本稿は「ダイヤモンド・オンライン」からの転載である。