主催するオールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(AELTC)は、4月初めに今大会の中止を発表していた。テニスの4大大会のひとつであるウィンブルドン選手権が中止になったのは、第2次世界大戦後では初めてのことだ。
AELTCのリチャード・ルイス最高経営責任者(CEO)は10日の発表文で、大会の中止が決まった直後から、出場選手を含め「ウィンブルドンを成り立たせてくれている人たちをどうやったら支援できるか考えてきた」と説明した。
賞金分配の対象者は、本戦か予選へ出場するはずだった選手620人。内訳は▽シングルス予選の選手(224人)=各1万2500ポンド(約168万円)▽シングル本戦の選手(256人)=各2万5000ポンド(約337万円)▽ダブルス本戦の選手(120人)=各6250ポンド(約84万円)▽車いす選手(16人)=各6000ポンド(約81万円)▽車いすクアード部門の選手(4人)=各5000ポンド(約67万円)──となっている。
支給は保険による補償についての話し合いを経て決めたという。
今回の措置は、ランキングの低い選手に歓迎されるとみられる。男女のテニスツアーが3月に相次いで中止や延期され、賞金収入を得られなくなっていたからだ。チームスポーツの選手と異なり、テニス選手はコーチングや宿泊、移動などの経費を自ら賄う個人事業主として活動している。
AELTCは男子シングルスのシードについて、2002年に採り入れた、芝コートの大会の成績を考慮する仕組みを取りやめることも明らかにした。来年からはツアーランキングのみで判断するように改める。女子シングルスはすでにランキングだけを判断基準にしており、変更はない。
テニス大会は米国では来月再開される予定で、4大大会の全米オープンは8月31日〜9月13日、ニューヨークで無観客で開催されることになっている。また、全仏オープンは5月末から9月に延期されている。