「今日のハイライトを何にしよう?」と考えることで、自分の大事なことに時間を使えるようになり、他人の優先事項に反応してまる1日を無駄にしたりせずにすむ。ハイライトを選ぶことで、前向きで積極的な気持ちになれるのだ。
そんな気持ちになれるように、1日のハイライトを選び、それをやり遂げる時間をつくる戦術を教えよう。
でもそれだけでは足りない。集中を邪魔されないように、気を散らすものに対処する方法を見直す必要がある。それをするのが、次のステップだ。
ステップ2:レーザー──「気を散らすもの」を撃退する
メールやSNS、ニュース速報などの気を散らすものはどこにでもあり、この先もなくなることはない。洞窟に暮らし、ガジェットを捨て、テクノロジーを完全に断つなんてことはできないだろう。
でも、反応のサイクルを断ち切るために、テクノロジーの使い方をデザインし直すことはできる。
この項では、テクノロジーを調整して、レーザーモードに入りやすくする方法を教えよう。
SNSのアプリからログアウトする、時間を決めてメールチェックするといったちょっとした変更が大きな成果を生むこともある。集中力を高める具体的な戦術を紹介しよう。
ステップ3:チャージ──体を使って「脳を充電」する
集中力を高め、大事なことのための時間をつくるには、脳にエネルギーが必要だ。そのエネルギーは、体をケアすることで生まれる。メイクタイムの3つめの要素として、この「運動や食事、睡眠、静寂、親密な時間などでバッテリーをチャージする」ことが入っているのは、そのためだ。
これはあなたが想像しているほど難しいことではない。
21世紀のライフスタイルは、人類進化の歴史を無視して、僕らからエネルギーを奪うかたちになっている。これは考えようによってはラッキーなことだ。現状が本来あるべき状態とあまりにもかけ離れているから、簡単に修正できる余地が大きいのだ。
このセクションでは、仮眠や運動、カフェインの戦略的利用などの戦術を紹介する。健康マニアになれとか奇抜なダイエットをしろなんて言わない。僕らが提案するのは、ちょっとした変更でやりたいことをやるエネルギーが直ちに得られる方法だ。
ステップ4:チューニング──システムを調整、改善する
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最後のステップとして、「寝る前にメモをとる」。超簡単なことだ。どの戦術を続けたいか、改善したいか、やめたいかを考えるのだ。その日のエネルギーレベルがどうだったか、ハイライトの時間をつくれたか、その日何に喜びを感じたかを振り返ろう。
これを続けるうちに、あなたの習慣と日課、脳と体、目標と優先事項にぴったり合った毎日のシステムができあがる。
成功のコツは「選ぶ、試す、繰り返す」
この本にはメイクタイムを実践するための87の戦術がつまっている。あなたに合う戦術もあれば、合わないもの(や、ばかばかしいとしか思えないもの)もあるだろう。この本は料理本のように考えてほしい。料理本のレシピを一度に全部試す人がいないように、全部の戦術を一気に試す必要はない。むしろ戦術を選び、試し、繰り返してみよう。
まずは試してみたい戦術をチェックしながら、最後まで読んでほしい。ページの耳を折ったり、紙に書き出すのもいいだろう。難しいがギリギリできそうなものや、おもしろそうなものを探そう。