ニューヨーク市では6月22日からレストランが屋外でディナーを提供することが許可されたが、ネズミによって食事が中断する事例が相次いでいる。
都市の衛生管理のコンサルティングを行う科学者のBobby Corrigan博士は、メディアの取材に「ネズミたちは通常では見られない異常な行動を行うようになった」と話している。
ソーホーのレストラン「Ciccio」のオーナーのGiacomo Romanoは、NBCニューヨークの取材に、食事中の顧客の足元をネズミが走り抜けていったと述べた。Romanoやその他のレストランのオーナーは、市に対し何らかの対策を講じるよう求めているが、それが実現する見込みは薄い。
新型コロナウイルスのパンデミックを受けて、市の清掃局の予算は削減され、ネズミが急増したエリアのゴミ収集の頻度は、25%も減っているのだ。
現地では自警団が結成され、日常的にネズミの駆除を行う人々も現れた。現地メディアのNY 1によると、Elias Schewelと名乗る人物は毎晩のように愛犬を連れてブルックリンの街路を散歩し、4時間で20匹程度のネズミを駆除している。しかし、彼の駆除が市全体のネズミの人口に及ぼす影響はごくわずかなものでしかない。
「私の愛犬はネズミをやっつけるのを楽しんでいる。彼にとってはもぐら叩きゲームで遊んでいるようなものだ」と、SchewelはNY 1の取材に話した。
ニューヨーク市の衛生当局によると、ネズミ関連の苦情の件数は今年3月から5月にかけて急減し、史上最低を記録していたという。Newsweekによると、ニューヨーク市のネズミの人口は200万匹に及び、シカゴやロサンゼルスに次いで米国で3番目に多いという。
ニューヨークのレストランの店舗数は2万7000軒に及び、そこから出るゴミを食料とするネズミは長年、現地の人々を悩ませてきた。
しかし、パンデミック後に店の閉鎖が相次いだことにより、ネズミたちはパニックになり、子殺しや共食いを行っている模様だ。科学者によると、ネズミたちは現在、下水を流れる糞便や汚水を食料にしているという。