そのほかの企業も、この分野への参入に力を注いでいる。さまざまな疾患の自宅検査キットを開発して提供している2015年創業のエバリーウェル(Everlywell)は、新型コロナウイルスのパンデミックが始まって早々にこのチャンスに飛びついた。同社は、オンラインポータルで述べているように、FDAのEUAを取得し、自宅検体採取キット(鼻腔用綿棒を用いるもの)を提供している。さらにこのサービスでは、試験所に検体が届いてから48時間以内に検査結果を提供すると説明されている。
英国では、ビンクス・ヘルス(Binx Health)が同様のサービスを提供し、患者が一度も家から出ずにすむドア・ツー・ドアの配達サービスを約束している。それ以外の企業も、より効率的な新型コロナウイルス感染症検査を実現するべく、さまざまな分子テクニックや手法の組み合わせを試みている。その一例が、ゲノム編集技術「CRISPR」の利用だ。この技術を使えば、遺伝子レベルでウイルスを検出できる可能性がある。
実際、新型コロナウイルス感染症の自宅検査に関しては、有望な可能性がいくつかありそうだ。この市場に参入する企業は今後も急激に増えることが見込まれるため、患者、消費者、医療分野のリーダー、科学界が常に厳しい監視の目を向け、新進の検査手法が、実際に根拠のしっかりした正確なものであることを確認する必要がある。とはいえ、そうした技術とサービスがいずれ完成すれば、大勢の人が検査を利用できるようになり、大きな利益を得られる可能性がある。