朝日新聞編集委員(朝鮮半島、米朝・日米関係担当)

Official U.S. Navy Web siteより

米国防総省は去る4月27日、米海軍の航空機が撮影した飛行物体の映像3本を公開した。約30秒から1分余りの長さの白黒映像で、1本は2004年11月、残りの2本は15年1月に撮影された。高速で飛行したり、空中で回転したりする様子が収められ、「あれを見ろ。回転しているぞ」と驚く米軍パイロットの声も収録されていた。映像は、数年前に流出し、「未確認飛行物体」(UFO)である可能性も指摘されていた映像だ。同省は今回の映像公開にあたり、UFOかどうか確認に至らなかったと説明していた。

実際に米海軍が公開したUFO動画

果たして、映像に収められた飛行物体は、SF映画でおなじみの、宇宙人が操る円盤の類いだったのだろうか。

米国で防衛駐在官を務めた経験がある自衛隊の元幹部に聞いてみた。すると、元幹部は米国駐在当時、米軍パイロットや元宇宙飛行士らから「俺も見た」「俺も経験した」という話を聞いていたという。米軍パイロットらは、肉眼やレーダーなどで事前にフライトプランなどの登録情報がない物体を捕捉したという。しばらく監視活動を行いながら、無線などで交信を試みたが、「反応があった」という事例はなかった。

また、この未確認飛行物体は、米軍機などを攻撃するような敵対行動を示したことはなく、米軍機も攻撃を加えるようなことはなかった。脅威ではないと認識したため、任務が終わった後にレポートを上部機関に提出していたという。

彼らの証言ではっきりしていたのは、「決して超常現象ではなく、現実にある人工物であることは間違いない」というものだった。自衛隊の元幹部が聞き込んだ米軍パイロットなどによる複数の目撃談は、1990年代から2000年代にかけて起きたものだという。

私が「この話を当時、日本の自衛隊などに電報で報告したんですか」と聞くと、元幹部は「まさか。与太話だと思われるから、一切報告しなかった」と笑った。

同じような経験をした人が、自衛隊にもいた。数年前、海上自衛隊のP1哨戒機に搭乗していたクルーたちが日本海を哨戒飛行していた。そのとき、レーダーマンが奇妙な声を上げた。「おかしい」。レーダーには無反応だが、赤外線探知機に反応があるという。昼間の飛行で、探知した地点は機体から10キロ程度の距離だった。肉眼で確認できるはずだったが、その方向には何もなかった。赤外線探知機の反応は20秒ほど続き、消えた。レーダーマンの「ロスト」の声を合図に、この奇妙な体験は終わった。このクルーたちもやはり、「与太話だと思われる」と考え、報告はしなかったという。

文=牧野愛博

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