イースト川とルーズベルト島を見下ろすしゃれた場所にある同ホテルは、ニューヨークで唯一宿泊客と従業員に新型ウイルス検査を提供するホテルを自負している。
検査の仕組みはこうだ。食事客全員が予約の前日、記入が必要な短い書類を受け取る。事前に記入して持参すれば時間の節約になるが、忘れたら当日書類をもらうこともできる。
ホテルに到着すると、赤外線温度計を使って体温が測定される。屋上に最近オープンしたギリシャ料理店「Perivóli」に入る前には団体ごとに、数分で結果が出る新型ウイルス高速検査を全員が受ける。
書類の記入から検査の実施、結果の確認までにかかる時間は約30分だ。検査費用は、客が加入する保険により異なり、35~51ドル(約3700~5400円)程度だ。
検査は、ベスティビュラー・ダイアグノスティックスPA(Vestibular Diagnostics PA)と提携して実施。検査は綿棒を使って鼻から検体を採取、または指先から採血する方法で行われ、現在の感染の有無を調べるものだ。希望する場合は、過去の感染歴を調べる抗体検査も受けることができる。同社によると精度は99%で、検査は全身を個人用保護具(PPE)に包んだ医師が行う。
結果が陰性であれば、レストランと、ホテル屋上にあるプールエリア「Profundo」に入れるが、その際にはリストバンドを身に着ける必要がある。
レストランもプールも新型ウイルスの衛生指針を順守しており、ニューヨーク市の指針に応じて客の数は50%に制限している。食事客は互いから少なくとも6フィート(約1.8メートル)離れるか、それができない場合は遮断物を設置する必要がある。テーブルに着いているとき以外はマスクを着けなければならない。
果たして、レストランでのウイルス検査はこの夏の大きなトレンドになるのだろうか?