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ある日、岡山県の大原美術館で、ある子供が絵を見ながら「かえるがいる」と指摘した。ただ、大原美術館にある絵にはかえるはいない。それどころか、睡蓮のシリーズにかえるが描かれたことは一度もない。学芸員がその場で聞くと、「水にもぐっている」と回答したというのだ。

末永によると、これこそが「アート観賞」ということだ。我々が美術館を訪れると、作品名と解説文といった既存の情報を得て、なんとなくわかった気がして次の絵へと移動する。が、しかし、この子供は「自分だけのものの見方」でその作品をとらえて、「彼なりの答え」を見つけだした。

「彼の答えを聞いて、みなさんはどう感じましたか? くだらない? 子どもじみている? しかし、ビジネスだろうと学問だろうと人生だろうと、こうして『自分のものの見方』を持てる人こそが、結果を出したり、幸せを手にしているのではないでしょうか? じっと動かない1枚の絵画を前にしてすら『自分なりの答え』をつくれない人が、激動する複雑な現実世界のなかで、果たしてなにをか生み出したりできるのでしょうか?」(『13歳からのアート思考法』より)

アート的な思考法を身に付けるには


アート鑑賞が上達することで、自分だけのものの見方をするようになり、オリジナルの考え方を持つようになれるのだ。本来、アート鑑賞はただ情報を集めるのではなく、目の前の絵をどう解釈し、どう表現するかにつながっているのだ。

大人の学び直しの世界でも「アート的なものの考え方」が見直されている。情報として歴史に詳しくなったり、再現性の高い絵を描くのではなく、『1「自分だけのものの見方」で世界を見つめ、2「自分なりの答え」を生み出し、3 それによって「新たな問い」を生み出す』ことがアート的なものの考え方となるのだ。

日々のニュースの一つなら、“自分だけのかえるを見つける”と言い換えるだろう。

組織内のルールや評価から脱却して学びなおせる機会だからこそ、思考方法を変えることを意識してみてはいかがだろう。

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文=上沼 祐樹 編集=石井節子

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