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2020.07.12

ライブ音楽の聖地、米オースティンの店の半数以上が廃業危機

5月初旬、再開に向けて準備をしていたオースティンのバーの様子(Getty Images)

「世界のライブミュージックの首都」と呼ばれる米国テキサス州のオースティンで、ライブ音楽を提供する店の半数以上が、今年のハロウィンまでに廃業に追い込まれる見通しであることが判明した。テキサス州では新型コロナウイルスの新規感染者数の増大が続いている。

地元メディアのAustin Monitorによると、現地の1000以上のローカルビジネスを対象とした調査で、ライブ音楽が楽しめる店のオーナーの大半が、廃業を検討していることが分かったという。ヒューストン大学の調査では、音楽スポットの経営者の62%が、今の状況で店を続けられるのは最大4カ月、もしくはそれ以下と回答したという。

6月の家賃を滞りなく支払ったと回答したのは全体のわずか19%で、79%は家賃や外部への支払いを遅延させていると答えた。さらに、フルタイムの従業員をレイオフした店が全体の83%に及んでいた。

テキサス州はパンデミック後に一時的にバーやレストランの営業再開を認めたが、新たな感染者が増加し、入院者や死者が増加する中で、先月から再び営業に制限が設けられた。オースティンの名店として知られた「Shady Grove」や「Barracuda」「Threadgills」などは、ここ数カ月で廃業している。

地元メディアのAustin Business Journalによると、現地の行政はスモールビジネスの支援のため、1店舗あたり最大4万ドルの助成金を用意し、今週から受付を開始した。しかし、店のオーナーからは「この状況が続けば、あと数カ月でオースティンの独立系のライブバーの90%が廃業に追い込まれる」といった声があがっている。

テキサス州はここ数週間で新型コロナウイルスのホットスポットとなり、1日あたりの新規感染者数が過去最高を更新し、死者数や入院感染者数も増大が続いている。州の保健当局は7月9日、累計の感染者数が23万人を突破したと発表しており、死者数も3000人を上回っている。オースティンが属するトラヴィス郡の累計感染者数は1万3000人以上に達している。

編集=上田裕資

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