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英国とオーストラリアのデータ保護当局は、物議を醸す顔認識テクノロジー企業の「Clearview AI」に対する調査を開始した。

Clearview AIはフェイスブックやグーグルから人々の顔のデータを収集し、巨大なデータベースを構築している。同社のデータベースには最大で30億枚の画像データが蓄積されており、各国の600以上の法執行機関に加え、民間企業や学校、銀行などに利用させている。英国の国家犯罪対策庁もClearview AIの顧客だと報じられた。

しかし、Clearview AIはデータの収集にあたり個人の同意を得ておらず、ニューヨーク・タイムズ(NYT)はプライバシー保護上の問題やデータの乱用の可能性を指摘している。

欧州データ保護委員会は先月、Clearview AIのようなサービスをEUの法執行機関が用いることは、EUのデータ保護規制のルールから逸脱する行為だと述べていた。

そして今、オーストラリア情報委員会(OAIC)と英国のICO(個人情報保護監督機関)は、合同でClearview AIの調査を開始した。「データの活用がグローバルに拡大する中で、英国とオーストラリアの当局が連携し、個人情報の保護に向けた取り組みを行うことは意義深い」と彼らは述べた。

米国に本拠を置くClearview AIは、カナダ政府からも同様な指摘を受けて、王立カナダ騎馬警察(RCMP)とのオペレーションを停止させた。

セキュリティ企業Synopsys CybersecurityのアナリストTim Mackeyは、今後、Clearview AIが英国とオーストラリアからも撤退することになると述べている。「顔認識に必要なデータの収集には多大なコストがかかるが、彼らはそのコストを回避するために、SNSなどから不正な手段でデータを集めている」と彼は指摘した。

昨年から警察による顔認識テクノロジーの問題点が指摘され、プライバシーだけでなく人種的な偏見が特に問題とされた。そしてここ数カ月で、IBMやアマゾン、マイクロソフトらが相次いで、顔認識テクノロジーの開発の中止や、利用の制限の開始を宣言している。

編集=上田裕資

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