経済・社会

2020.07.12 17:00

「香港人は人権まで奪われた」 香港在住の若者が明かすリアルな心情

ショッピングモールで何も書かれていない紙を掲げ、無言の抗議をする若者たち(Getty Images)


A.S:私は、将来香港でソーシャルワーカーになりたいので今は香港を離れるつもりはありません。自分のキャリアを考えた上での決断でもありますが、何より香港が自分の生まれ育った国で大好きだからです。
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しかし、この法律により多くの制約が課されたことで、香港を出る友達も多くいます。多くの企業では、新入社員に法律を遵守すると署名させるそうです。そのような環境の中で、これから移住の選択肢や逮捕への恐怖が重なれば、外に出たいと思う人が増えてもおかしくないと思います。

中国と香港の旗
中国政府が政治的圧力を強める香港の未来はどうなるのだろうか (Getty Images)

──最後に、日本に向けて伝えたいことがあればお願いします。

T.Y:日本政府ができることは、香港人が日本に移住したいと思ったときに受け入れ態勢を整えることだと思います。現在では、永住権を獲得するのに数年もかかると聞きました。また、今回の香港政府の対応を見れば、どれだけ中国政府の圧力が強いかわかると思います。日本には関係ないと思わず、少しだけでも香港と中国について関心を持ってほしいです。
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A.S:Treasure you freedom.(自由を大切にしてください)。いつ自分たちの自由が奪われるかわかりません。しかも、政府によって奪われるなんて。だから、自分の権利を大切に守ってください。


デモに参加していなくても、多くの香港の若者にとって政府や自分たちの権利について考えるきっかけとなっただろう。彼らは海外に出ても決して「香港人」としての誇りを忘れることなく、自由のために戦い続けたいと、未来を信じている。そして日本で暮らす私たちも、無関係とは思わずに、香港の民主化を願う彼らとの連帯を示していきたい。

文=田中舞子 編集=督あかり

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