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地図アプリの機能を簡単に説明すると、3Dマップと諜報データを融合し、敵がどこで何を計画しているかをリアルタイムで教えてくれるというものだ。AIは敵の行動パターンを把握し、現在どこで何を企んでいるのかを推測する。

過去1年ほどで、軍隊におけるサイバーとリアルを融合した取り組みが話題になっている。イスラエルは、サイバー攻撃に対する報復として、史上初めて空爆を行った。その数週間後、米国はドローンを撃墜された報復にサイバー攻撃を行った。

N中佐によると、ARを活用した地図アプリは、敵を発見しやすくすると同時に、ミスを避けることを可能にする。攻撃判断を下すのは兵士であり、彼らが誤った行動をとらないよう、アプリには特定の場所が敵のアジトであると推測される理由を明記しているという。

9900部隊における新たなプログラムには、諜報機関、戦闘部隊、サイバーコミュニケーション部隊、イスラエル版DARPA(国防高等研究計画局)、防衛関連企業、スタートアップなどが参画しているという。新たな構想が生まれると、すぐにプロトタイプが作られ、戦闘部隊がフィールドテストを行う。

「軍隊の世界は様変わりしており、新たな戦闘メソッドを考案する必要がある。そのために、我々は防衛産業以外の企業が開発したツールを積極的に採用している。また、一般市民やオープンソースをなるべく活用している。最新鋭の製品を開発するために、世界中の調査結果にアクセスしている」と中佐は話した。

軍隊から始まるイノベーション


今後は、この新しいプログラムを他国と連携して展開していく予定という。「テロリストと闘っている他の国々も同じ課題を抱えている。我々のコンセプトは、AIが機密情報を分析し、地図に正確に落とし込むものだ。これは大きなイノベーションだ」と彼は話す。

中佐は、このテクノロジーを活用している国や、機密情報のソースについては明らかにしなかった。イスラエル国防軍が導入したこの新しいプログラムは、世界中の防衛企業が開発しているAI、IoT、ARシステムと連携が可能だ。

様々なソースからの諜報データを兵士のC2システムに組み込むコンセプトは斬新だが、重要なのは、判断を下すのがあくまで兵士である点だ。攻撃対象の決定を自動化してしまうと、軍隊のあり方を永遠に変えてしまうことになるだろう。

編集=上田裕資

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