コロナ禍で経済低迷の米国に、マスク着用がもたらす意義とは

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米国の住宅ローン金利は、7月第1週の週末を前に過去最低を更新した。この背景には、新型コロナウイルス感染者数が再び上昇に転じたことをきっかけに、投資家がより安全な債券市場に殺到したという事情がある。

フレディマック(米連邦住宅貸付抵当公社)の7月2日付の発表によると、この1週間の30年物住宅ローン固定金利は平均3.07%と、前週の3.13%からさらに下がり、データが残る1971年以降では最低を記録した。また、15年物の金利もここ7年で最低となる平均2.56%にまで落ち込んだ。

フレディマックのチーフエコノミスト、サム・ケイター(Sam Khater)は、「住宅ローン金利はゆるやかな低下傾向を継続しており、30年物固定金利の平均値が年内に3%を割り込む可能性はかなり高い」との見方を示した。さらにケイターは「経済に目を向けると、個人消費が小幅ながら減少し、購入行動が抑制傾向にあることから、手元のデータを見る限り、この数週間は経済活動の回復が一時的にストップしているとみられる」と述べた。

米国では、新型コロナウイルス新規感染者数がここ数週間で急増している。これが投資家のあいだで、ロックダウン(都市封鎖)の再開により経済活動が再び停滞するのではないかとの懸念を招いていると、ゴールドマン・サックスは指摘する。

ニューヨーク州やニュージャージー州などかつての感染多発地域では、新規に確認された感染者数が減少に転じているものの、米国南部と西部の複数州では、1日あたりの新規感染者数が記録的な水準に達している。7月1日、全米の新型コロナウイルス新規感染者数は、1日あたりの数としてはパンデミックが始まって以来最多となる5万2789人に達した。
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翻訳=長谷睦/ガリレオ

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