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1. 平均だけを見ていると、多数派の人々の収入を過大評価しやすい。

2. 提案では、建設要員と常勤労働者に時給15ドルの「生活賃金(一定水準の生活を送るのに必要な賃金)」を支払うとされている。だが週40時間、年間52週をこの賃金で働いても、年収は3万1200ドルにしかならない。

3. 提案されている平均年収は、廃棄物・リサイクル素材収集業者の平均年収とほぼ同じだ(労働統計局のデータより)。

嘘ではない。廃棄物・リサイクル素材収集業者の平均時給は、15ドルではなく19.90ドルだ。15ドルという数字はむしろ、都会のファストフード店で働く従業員の時給に近い。

廃棄物・リサイクル素材収集業者の平均年収は4万1400ドルであり、テスラ新工場の平均年収とされる4万7147ドルと同程度だ。しかも後者は、トップ層の人々の高収入でかさ上げされた数値だ。

廃棄物・リサイクル素材収集業者に関する労働統計局のデータには、廃棄物処理など、比較的高収入の業務も含まれている。廃棄物収集業者だけに限ると、平均時給は19.04ドル、平均年収は3万9590ドルとなる。

この数字は、テスラにおける「65%の未熟練労働者」が「生活賃金」の時給15ドルで稼ぐ見込みである3万1200ドルをはるかに上回る。

テスラの提案には、医療、処方薬、歯科、眼科をカバーする保険など、福利厚生についても言及されている。だが、そもそもの賃金の低さについてはまったく触れられていない。

しかもご存知のとおり、テキサス州は、新型コロナウイルスの新規感染者数で全米トップの州だ。工場はその性質上、感染リスクの高い職場だ。危険手当は? どうやらなさそうだ。

仕事の大部分が未熟練労働なのに、なぜ「中度熟練者」という言葉が使われているのだろうか? それにも増して重要なのは、製造業全般をみても、状況がおしなべて悪いことだ。

労働統計局の平均年収データから、ハイテク製造業労働者の例として、「コンピューター数値制御ツールのオペレーターおよびプログラマー」のカテゴリーを見てみよう。平均年収は4万5560ドル。ほかの製造業の職種では、数値はもっと低い。

企業は、「適切な人材を見つけられない」、「市場が賃金を現在の水準にしている」と主張できる状態ではない。経営者や株主は、賃金を上昇させた場合の結果が気に入らないため、市場に抵抗しようとしている。そろそろ現実を隠すのはやめるべきだろう。

翻訳=的場知之/ガリレオ

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