組織デザイン構築のカギは、“自社の美学”を貫けるかどうか

ヨハク 代表 山口達也(左)、モザイクワーク 代表取締役社長 杉浦二郎(右)


杉浦:また、風土やカルチャー作りの業務に関して、企業規模にもよりますが下手したら10年前後の時間がかかりかねないものです。

特に今後は「個が企業に属さない時代」になっていくからこそ、「なぜ、自分がこの企業に所属しているのか? 関係性を持っているのか?」といったカルチャーを人事がデザインしていかないといけません。

そうすると、いわゆる「デザイン思考」が必要になってくる時代がもう来ているなと私は感じていて。

ヤマグチ:非常に同感です。

カルチャーづくりとなるとブランディングの領域とも被る部分が大きいのですが、やはり“自社なりの美学”を上流から下流まで一気通貫させられるかどうか? がポイントになります。

なので、いわゆる「デザイン思考」が非常に重要なスキルになっていくという杉浦さんの見立てには賛成ですね。

杉浦:デザイン思考は「全体像をこうしたいから、その下の戦略はこうして、さらにその下の戦術はこうして……」といったように、“全ての施策に意味を持たせ、1つの大きなメッセージを伝える思考プロセス”を指します。

ですが、これにはいわゆる「美意識」が必要だなとも同時に思うんですよね。

これからの人事には、デザイン思考、美意識が必要

“ヒト”が1番分からない。だからこそ、これからの人事は面白い


ヤマグチ:本屋で最近並んでいるビジネス本を見ても、美意識やアート目線に関する書籍は増えてきていますよね。

個人的にも、よくTwitterなどで「美意識はどのようにすれば鍛えられますか?」と恐縮ながら質問をいただくこともあるのですが、杉浦さんだったらどのようにお答えしますか?

杉浦:「感受性を鍛える」ですかね。

いわゆる絵画や音楽などのアートは、アーティストのエゴの塊だったりするわけじゃないですか。それってつまり、どれだけその人の「想い」を感じられるかどうかだと思っていて。

ヤマグチ:なるほど、具体的に何か実生活の中で実践されたりなどしていますか?

杉浦:実は最近クラシック音楽を聴きに行くのですが、その音楽が作られた時代背景を調べたりしてますね。

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文=山口達也 写真=福嶋賢人

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