ビジネス

2020.07.11

花屋を志して40年以上 3代目の決断と変わらぬ原動力

佐藤生花店の3代目オーナーの川口和美さん (c)EDITORS SAGA


和美さん曰く「お花のセンスもあるし、写真のセンスもいい」という凪さん。4代目の登場は、和美さんにも刺激になっているようだ。4月からは、自身のこだわりが詰まった新店舗のなかで、「花カフェ」もスタートさせた。


和美さんと娘の凪さん

「リニューアル後の店舗には、キッチンをつくりました。花に囲まれた場所で、お花が入ったケーキやクッキーをハーブティーなどと一緒に楽しめるようにしたんです。花を見て、飾って楽しむだけでなく、匂いや味など、五感で味わってもらいたいと考えていたら、ちょうど花屋でカフェをやりたいという人がいたので、コラボすることにしました」

他にも、パン屋をやりたい女性や、和菓子屋さんをやりたい女性など、やりたいことがあってもなかなか機会をつくれない人が多くいるという。そのような人たちに場所を提供することで、それぞれが夢に近づく手伝いをするというのも、和美さんのライフワークになっている。

既に店舗の敷地内には、小屋がひとつ完成した。ここは、よもぎ蒸しやネイルサロン、ヒーリングセッションなどができるレンタルルームにするという。今後はさらに小屋を増やし、花屋を囲んだマルシェのような空間をつくることが、和美さんが描く未来図だ。


(c)EDITORS SAGA

「花を使ったキャンドルやアクセサリーづくりの体験教室もやってみたいと思っています。とにかく花に関わるものを集めて、『ここに来たら花で癒される』というような空間をつくりたいんです。自分が楽しいと思うことを伝えて、それに共感してくれる人が集まってくれれば嬉しいですね」

花屋を志して、40年以上。一途に花と向き合い続ける和美さんの原動力となっているのは、幼少期から変わらぬ「花を愛する心」だ。

「花は、癒しだと思います。花を見て、嫌な気分になる人はいないじゃないですか。それに、私たち花屋は、花を通して贈る人の気持ちに寄り添うことができるんです。お祝い事に花を贈れば喜びは増しますし、悲しい気分の時には気持ちを慰めることもできます。花は季節によって種類も色も変わりますから、花によって思い出をつくることもできる。そうやって、いつまでも贈る人の気持ちを花に託して届けていきたいですね」

連載:世界漫遊の放送作家が教える「旅番組の舞台裏」
過去記事はこちら>>

文=鍵和田 昇、写真=EDITORS SAGA

ForbesBrandVoice

人気記事