ウーバーCEOのダラ・コスロシャヒは7月7日のCNBCの番組で、「当社は来年の黒字化を確信しており、事業ポートフォリオの多角化によってその思いをさらに強固にした」と述べた。
ウーバーの株価は6日のポストメイツの買収のアナウンスを受けて7%上昇した。同社は買収費用の26億5000万ドルを株式で支払い、2021年の第1四半期にその手続を完了させる予定だ。
調査企業エディソン・トレンズとセカンドメジャーのデータによると、米国のフードデリバリー分野における市場シェアは1位がドアダッシュで、2位以降はウーバーイーツ、グラブハブ、ポストメイツの順になっている。
ウーバーがポストメイツを傘下に収めることで、ウーバーイーツの収益性は大幅に向上する。ウーバーは当初、ポストメイツよりもシェアの大きなグラブハブの買収を試みたが、グラブハブはオランダのジャスト・イートからの買収提案を受け入れていた。
ウーバーは今年1月に、2020年の第4四半期までにEBITDAベースで黒字化を達成すると宣言したが、パンデミックの発生を受けて5月にその目標を撤回していた。
ウーバーイーツの売上はパンデミックを追い風に、2倍以上に伸びたものの、ウーバーのコア事業の配車部門の売上は急減している。しかし、コスロシャヒCEOによると、配車需要の低下もほぼ底を打った模様だという。第2四半期の配車件数は、前年同期比で75%のマイナスとなったが、現状では60%マイナスまで回復しつつあるという。
「ウーバーイーツの業績拡大によって、ライドシェア部門の落ち込みが相殺されつつある」とコスロシャヒは投資家向け説明会で述べた。
モーニングスターのアナリストのAli Mogharabiは「フードデリバリー業界は統合化により、長期的には価格の安定化が進んでいく」と述べた。「ポストメイツを取り込んだウーバーは、グラブハブを上回る業界2位のプレーヤーとして勢力を拡大していく」と彼は続けた。
モーニングスターは、現状で約33ドルのウーバーの株価をアンダーバリュー評価としている。同社によるとウーバーの適正株価は48ドルで、パンデミックが収まれば力強い回復が見込めるという。
ウーバーの株価はパンデミックを受けて10%の下落となったがその後は回復し、現在は年初来で5%高となっている。ポストメイツの買収完了後のウーバーイーツの米国でのシェアは30%以上になり、45%のシェアを持つドアダッシュに次いで2位になる。3位のグラブハブのシェアは約20%とされている。