猫は飼い主を選べない
松原さんに、猫と人間の幸せな関係とはどんなものなのか、聞いてみた。
「幸せの定義はいろいろですが、猫にとっての幸せは、『健康で長生きすること』だと思います。それを実現するための取り組みの1つが、トレッタ(猫専用スマートトイレ)です」
トレッタキャッツ取締役の松原さん。リモート取材中に、愛猫も登場
「自分の子供なら、バランスの良いご飯を食べさせたり、定期的にワクチンをうったりしますよね。でも猫の健康をそこまで考えている人は少ない。猫が泌尿器疾患になりやすいことなど、飼い主の方が猫の性質を理解し、何をすべきかを当たり前に知っている状態を作りたいなと思っています」
猫は様々なプラスの影響を私たち人間に与えてくれる。だがそれは本来、猫から人間への一方的なものであってはならない。
京都大学野生動物研究センターの荒堀みのりさんによれば「猫は薄明薄暮性だが、(睡眠などの)生活パターンは人間に合わせてくれている」のだそうだ。
私たち人間も、清潔な環境の提供など、責任感を持って世話をすることで、猫の幸せに寄与できる。
そうした健全なサイクルを作り出せるかどうかは、飼い主の手にかかっている。
(前編:猫と人間の関係性──私たちはなぜコロナ禍で彼らを求めてしまうのだろう?)