2016年4月、AdAsia Holdings(アドアジアホールディングス)としてシンガポールで創業し、事業拡大とともにアジアを中心に一気に事業を拡大してきた。現在、世界13の国と地域で17の拠点を設け、社員数は約750人超に及ぶ。
広告事業における広告主のアカウント数はグローバルで1800社超。メディア向けプラットフォームは1200社に提供している。インフルエンサーのプラットフォームに登録しているインフルエンサーは16万人強と、グローバルでそのリーチを伸ばしている。
昨年12月にはスペースシャワーネットワークの連結子会社で、インフルエンサーマーケティング事業を展開するGROVEを連結子会社化、一気に国内市場に打って出た。創業4期目にして、4社目のM&Aである。
さらに3月にはインド・中東を中心に事業展開を行っている動画広告プラットフォームの「POKKT」を完全子会社化し、同社のCEO、COOが経営陣に参画するなど、アジアを超えたさらなるグローバル展開も図っている。
シンガポールで起業し、短期間でいかにして爆速的な成長を遂げることができたのか。なぜこのタイミングで自身の拠点を日本に移したのか。日本市場の知られざる可能性や今後のビジョンを明かした。
「最初からグローバル」シンガポールで創業
両親が経営者だったので、幼少期から起業したかったんです。前職ではサイバーエージェントのグループ会社のマイクロアドで海外の責任者をつとめ、東南アジアを統括し拠点の立ち上げをやっていました。
各国の現地法人の設立から人材採用、バックオフィス、営業などをゼロイチで見てきました。ベトナム、インドネシア、タイ、マレーシア、フィリピン、シンガポールの6カ国は全部、自分で立ち上げをやりました。
ジャカルタ、ホーチミン、バンコク……各拠点勢いがあって、チャンスもあふれていました。「自分でビジネスをやるならこの市場で、最初からグローバル展開を見据えてやりたい」と思いました。
どの拠点が良いか考えたときに、GAFAやアリババなどのグローバル企業がアジアのリージョナルのヘッドクォーターを置く都市としてシンガポールが多いので、地理的にも税制的にも良いと思い、シンガポールに本社を置いてスタートしました。
シンガポールは国内マーケット自体はあまり大きくありませんが、あくまでヘッドクォーターを置き最初にセットアップする国としてはやりやすい。情報もキーパーソンも集まっています。まずはアジア全域を攻めるために、シンガポールで起業したという形ですね。