ビジネス

2020.07.21

社内で情報格差をつくらない。AnyMindの急成長を支えるコミュニケーション術

AnyMind Groupの十河宏輔CEO

シンガポールで創業、インターネット広告やインフルエンサーマーケティングなどを手がけるAnyMind Group(エニーマインドグループ)の十河宏輔CEOインタビュー後編(前編はこちら)。

Forbes JAPAN「日本の起業家ランキング2020」の「日本の起業家TOP20」には創業最短、32歳と最年少で選出された。

創業4年で世界13の国と地域で17拠点を持つまでに拡大したAnyMind Group。十河CEOはグローバルで多拠点にわたる社員約750人をどのようにリードしてきたのだろうか。急成長を生み出した組織づくりの秘密や、社員をモチベートするコミュニケーション術について語った。


課題もM&Aも積極的に共有、社員の当事者意識を醸成


海外と日本におけるビジネスは違いも多いですが、本質的には近いものがあると最近感じてきました。うちの会社でもすごく大事にしていることなのですが、結局、オープンなコミュニケーションをしていかないと、全然うまくいかないんですよね。

ただ「これをやってください」とだけ指示しても人はモチベートされないし、育たないし、事業も成長しないんですよね。コミュニケーションの問題もあり、マネジメントの難しさを感じていたこともありました。

僕らが今、意識しているのは、例えば「これをやりたい」と新しい事業を立ち上げる時に、「なぜその事業を立ち上げるのか」「なぜこういうプロダクトをつくるのか」を大枠からしっかりと話して社員全員に理解してもらうことです。そうでないと、結局、言われたことだけをやる人になっちゃうんですよね。モチベーションにも影響します。その辺のコミュニケーションの重要性は意識しているところです。

例えば人事チームに対して、「ここの部署にこれだけ採用してください」という指示と、「今、事業部がこういう状況です。ここをもっと伸ばしたいんです。なので、こういうスキルをもった、こういうバックグラウンドの人を採用していきたいんです。それはこういったゴールを達成するためなんです」というコミュニケーションをするのとは全く違います。これは日本でもグローバルでも同じです。

課題も社員に積極的に共有します。それによって、「自分も戦力なんだ」「自分もこの船に乗っているんだ」という感覚を強く持ってもらえると思うんです。当事者意識を持ってもらいたい。そこはめちゃくちゃ意識していますね。結局、コミュニケーションの量や質が落ちたときに、人の問題が起こり、ビジネス上にも問題が起こり、成長率が下がるんです。

僕自身、カジュアルなタイプなんだと思いますね。そうじゃないと、情報も入ってこないし、働いていても楽しくないとも思います。
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文=林亜季 写真=小田駿一

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