日本全体の時価総額「600兆円」を引き上げる
その後、布川はツイッターで良いと思った人に会ってみたり、エンジニアが開催するスマブラ大会に参加したり、友人経由でエンジニアを紹介をしてもらった。地道にエンジニアとのネットワークを作っていく中で、CTOとしてログラスを共同創業した坂本龍太に出会う。
坂本は当時60人程度だったビズリーチに新卒0期生のエンジニアとして入社。人財活用プラットフォーム「HRMOS(ハーモス)」のテックリードを務めた後、サイバーエージェントで働いていた。布川にとって、坂本は探し求めていたエンジニアだったという。
「エンジニアとしてのスキルが高いこともそうですが、自分と坂本は死生観がすごく似ているんです。自分は中学生の時に部活顧問であった恩師を交通事故で亡くし、大学受験の最中に親友だった同級生を癌で亡くすなど、2回ほど身近な人の“死”を経験したことで、『人生は有限でチャレンジできるタイミングは今この瞬間にしかないかも知れない』と強く思うようになりました。また坂本も小さい頃に父親を亡くしていて、強い死生観とチャレンジの精神を持つ彼と一緒にサービスを作りたい、と思ったんです」
布川が熱烈に声をかけた結果、CTOとして共同創業することに。約9ヵ月ほど開発を進めていき、2020年4月にログラスのクローズド版をリリースした。クローズドながら、わずか2カ月で様々な業種の企業に導入を実現し、すでに売上1500万円を突破しているという。
「ログラスは高単価SaaSであるため、ユニコーン企業が開発するログインシステムや監視システムなどを活用し、効率的にメイン機能開発が可能な体制を実現しています。また、1つの部署で完結しない経営管理領域だからこそ、外部ソフトとの連携に注力しています」
今後、取り込み可能なデータ属性の拡充や、分析機能の強化を行っていくほか、今秋には取り込んだデータを外部のビジネスインテリジェンスツールに連携する機能の公開を予定しており、可視化まで含めた一気通貫の経営管理を実現を目指していくという。
「ログラスが目指すのは全社員が一体となって業績の向上に取り組む『スクラム経営』の実現です。日本初のエンタープライズ向けコーポレート・インテリジェンスとして、経営管理領域の課題を圧倒的に改善することで、日本全体で600兆円ある株式価値を圧倒的に引き上げ、数十兆円レベルのインパクト創出を目指していきます」