フランスの「裕福」は月収いくらから? 報告書発表

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「裕福」な人とはいったいどんな人なのだろう? どの時点で自分は裕福だと思えるのか──? フランス社会の不平等について調査する独立機関オブセルバトワー・デ・イネガリテ(Observatoire des Inégalités)は先日、裕福さを定義する数字を示した報告書を発表した。

同報告書では、裕福であるためには、同国の2017年の月収中央値1735ユーロ(約21万円)の倍の額を稼ぐ必要があるとされた。つまり、毎月3470ユーロ(約42万円)稼がなければならないということだ。

子どもがいるカップルの場合、「裕福」だとみなされるには毎月7827ユーロ(約95万円)稼がなければならない。

仏ニュースサイトのザ・コネクシオン(The Connexion)によれば、フランスでこの基準を満たす人は510万人で、人口の8%余りだ。

報告書ではまた、以下のデータが挙げられている。

・フランスで最も裕福な1%の手取り月収は6650ユーロ(約80万円)以上。
・フランスで手取り年収が10万ユーロ(約1200万円)以上の人は50万人。
・手取り月収が3万8500ユーロ(約470万円)以上の最富裕層は人口のわずか0.01%。

報告書では「裕福」であることの最初の条件として、自分1人の居住スペースとして60平方メートル以上を確保する財力があることが挙げられた。これは、標準よりかなり広い面積だ。

裕福である次の条件としては、高級車を持つことが挙げられた。フランスで高級車を持つ人は人口のわずか10%だ。これに加え、調査では家事の手伝いや掃除担当者がいること、休暇に出かけたり余暇の活動に参加したりできることなどが挙げられた。

また職の安全として福利厚生付きの正社員の契約を持ち、失業の恐れがないことも広い意味の裕福さとして考慮された。その中には、労働時間を自分で決められ、タイムカードを打たずに仕事できることが含まれている。

友人や親戚の広いネットワークを持つことは、教育へのアクセスや大学の学位を取得することと同じくらいポジティブなこととされた。こうした要素は、社会での人の地位を決めることが多い。この意味では、富が富を生むことが示された。

編集=遠藤宗生

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