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I study technology disruption in individuals, companies and societies.

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新型コロナウイルスの感染拡大に伴うロックダウンの影響により、多くの都市の街頭から人が消え、空が澄み渡り、地平線が鮮明になり、大気汚染が劇的に低減された。この結果、特に都市の運営方法に関して「ブルースカイシンキング(青空思考)」が生まれている。ブルースカイシンキングとは、既成概念にとらわれない独創的思考のことだ。

都市はいったいどうすれば、市民生活や経済活動を維持しながらも、大気の質を確保して住民の健康への害を防げるだろうか?

伝染病のパンデミック(世界的大流行)のような事態が起きた場合、多くの人は都市部の高い人口密度を問題とみなす。しかし、人口の多さは都市の効率化につながるものであり、多くの人にとって魅力の一つでもある。課題となるのは、都市部の過密性を解消することではなく、そうした場所での暮らし方や社会経済的環境を見直すことだ。

最も先進的な部類の都市では、非常に不健康だった以前の常態へは回帰せずに、自動車がもたらす問題を根本から解消するための措置を提案している。人々は、飽和状態をインフラ整備で解消しようとする前世紀的な考え方が持続不可能であることにようやく気づいたようだ。道路を増やしても、単に自動車の利用が増えるだけだ。今回のパンデミックにより、自動車文化がいかに有害かということが明確になった。つまり今後の対策の多くは、自動車の利用制限に重点が置かれるだろう。

未来の車とは、インターネット接続や自動運転、電動化を実現し、シェアされるものになる。それまでは、必然的に多くの地域で自動車の利用が制限されるだろう。自動車には混雑料金が適用され、歩行者専用エリアを拡大することで、徒歩での移動が促進される。また、欧州5都市で現在行われているような電動自動運転車のシェア利用という試みも広がっていくだろう。

そして何よりも、自転車、特に電動自転車に対する関心が高まっていく。自動車用の道路や駐車場を廃止して自転車専用レーンが増設され、ソーシャルディスタンシング措置として混雑が解消された電車やバスで自転車を運ぶことも容易になる。

公共交通に関して、解かねばならない疑問がある。ロックダウン初期、多くの都市ではソーシャルディスタンシング対策として公共交通機関の利用自粛が呼びかけられた。しかし再開後もそれ以上の感染拡大は見られず、この措置の再考が促されている。

パンデミックがもたらした在宅勤務の普及によって、人々が自宅に留まったり、出勤回数を減らしたり、オフピーク通勤を採り入れたりすることで、公共交通機関に対する圧迫が軽減する可能性もある。同時に、経済や都市の活動を早急に再開させる必要もあり、今回のパンデミックは新たなアプローチを見出す必要性を示した。

最近のアンケート調査では、欧州人の大半が、自分の暮らす都市から自動車を締め出すべきであり、コロナ以前の汚染レベルへ戻ることはどんな犠牲を払ってでも避けるべきだと回答した。各都市の当局は果たして、市民からのメッセージを受け止め、適切な行動を取るだろうか。

編集=遠藤宗生

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