経済・社会

2020.07.07 17:30

世論調査の「バイデンリード」、クリントンよりも強固と言えるこれだけの理由

ジョー・バイデン(Photo by Alex Wong/Getty Images)


支持率48%未満の現職大統領、再選は「前例なし」


前回2016年の大統領選で、クリントンが選挙人の獲得数を伸ばせなかったのは、人口動態上、重要な層で票を積み増せなかったことが大きいが、バイデンはそうした層でも強さを見せている。
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2日に公表されたモンマス大学の最新調査によれば、バイデンは65歳以上の有権者の間でトランプを21ポイントリードしている。この年齢層は投票率が高く、とくにフロリダ州では結果を大きく左右する。CNNの出口調査によれば、クリントンはこの年齢層の得票率でトランプに7ポイント差をつけられていた。

また、ニューヨーク・タイムズの最近の調査では、「スイングステート」と呼ばれる6つの激戦州で、バイデンは大卒の白人有権者の間で21ポイントリードし、白人有権者全体でもトランプに4ポイント差まで迫っている。トランプは前回、大卒の白人有権者でクリントンに3ポイント、白人有権者全体では20ポイントの大差をつけていた。

トランプの支持率は、リアル・クリア・ポリティクスの世論調査の平均値で41.5%にとどまり、反対に支持率は56%に達する。世論調査分析サイト「ファイブ・サーティー・エイト」のネイト・シルヴァー編集長は2011年、世論調査が始まった1940年以来、支持率が48%未満の現職大統領が再選を果たした例はないと述べている。逆に、支持率が49%以上の現職大統領は全員再選している。トランプは就任以来、支持率が47%を超えたことは一度もない。
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2016年の米大統領選は、事前の世論調査からすると大番狂わせだったと思われがちだが、じつのところ調査はそれほど外れていなかった。リアル・クリア・ポリティクスの世論調査の平均値では、クリントンは全米の得票率でトランプを3.3ポイント上回ると予想されており、実際、クリントンが2.1ポイント上回るという結果になっている。これは誤差の範囲内であり、予想とのずれも2012年時の3.2%から縮んでいる。

スイングステートの結果をみても、トランプはアリゾナで0.5ポイント差の惜敗、フロリダで0.8ポイント差、ノースカロライナで2.7ポイント差、ペンシルベニアで2.8%、ミシガンで3.7ポイント差の辛勝だった。これらもすべて誤差の範囲内だ。ただ、ウィスコンシンでは、世論調査ではクリントンが6.5ポイントリードしていたが、結果は0.7ポイント差でトランプが大逆転勝利を収めている。

編集=江戸伸禎

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