仮説3-外出自粛による在宅時間の増加が後押しに
新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛により、在宅時間が増加したことも、韓国の流行が根付くことに影響したと考えています。
というのも、エリナさんによると、「韓国では、家でカフェっぽい写真や動画を撮って投稿する『ホームカフェ遊び』という文化がもともとあった」と言います。
【おうちカフェASMR】無印良品で作るタルゴナコーヒー&タルゴナアレンジ(抹茶 ほうじ茶 チャイ味) dalgonacoffee
韓国のスイーツやドリンクはインスタ映えしやすいものが多く、中でも「タルゴナコーヒー」は、家でも簡単に作れるうえ、ふわふわのコーヒークリームの見た目がおしゃれでSNS映えすると話題に。日本にも徐々に浸透してきていたところ、外出自粛をきっかけに、本や雑誌で紹介されたり、kemioさんなど人気ユーチューバーが取り上げたことで、日本でも『おうちカフェ』といった言葉の流行につながったそうです。
また、トレンドワードに選出した、韓国ドラマで話題になった「ビーズリング」や、韓国の『ondo』さんや日本の『HINATABOKKOひなたぼっこ』さんをはじめとする人気の丁寧な暮らし系YouTuberが紹介したことで注目を集めていた「ソイキャンドル」も在宅時間の増加が追い風になったと考えています。
「幼い頃の懐かしさを。ビーズリングが韓国のお洒落さんに取り入れられているって噂」「あのモコモコのろうそくは一体?おしゃれ写真に使える、ソイキャンドル図鑑」の記事でも紹介した通り、どちらもSNSで話題となっている「おしゃれ写真」として、MERYでも注目していました。自粛中の家の中でも、簡単に楽しめる可愛いアイテムとして、さらに人気が急増したのです。
以上、3つの仮説を立てて、若い女の子の間に韓国のカルチャーが定着した理由を検証してきました。しかし、それだけではここまでのブームにはなっていないのではないでしょうか。
実は今、若者の価値観が少し変わってきているようなのです。たとえば、以前は安室奈美恵さんのような、「カリスマ性」を備えた完璧な芸能人が多くの支持を得ていました。それが現代では、「憧れの存在ではあるけれど、自分も頑張ったら近づけそう」、「自分の応援でビッグになっていく」と思えるような「親近感」のあるモノやヒトが若者の心を掴んでいるというのです。
すごく人気があるけれども、一般人なのでなんとなく身近に感じるインフルエンサーや、自分の応援で成長していく韓国アイドル、自分も感じていたような社会問題に立ち向かう韓国ドラマの登場人物などが当てはまるのではないでしょうか。
「SNS映え」、「親近感」、さらに、近いけれど海外であるという「ちょっとした特別感」。そんなところが、韓国のカルチャーが若者たちにうまくハマった根本にあるのかもしれません。