ビジネス

2020.07.08

【独占】ダイソンの掃除機を仕切る男が、アジア拠点の意味を語る

シンガポールの自宅から取材に応じてくれた、ダイソン フロアーケア バイスプレジデント ジョン・チャーチル


ニーズを製品化する。だから日本を知る。


本発表の新製品について少し触れておこう。

Dyson Digital Slim™️ コードレスクリーナーは、質量わずか「1.9kg」。定番のV11シリーズ(2019年発売)より25%も軽くサイクロン部分は5%小型化した。クリーナーヘッド部分はSlim Fluffy™️と名付けられ、日本の住環境に合った小型でベッドの下や家具の隙間にも入りやすい(下写真)。

掃除機のヘッドの大きさの比較


そしてもちろん、ダイソンの代名詞である高い集塵性能を支える、毎分12万回転するDyson Hyperdymium™️モーターと新構造の11個の高効率スクロールサイクロンを備える。

手に持ったとても小さいモーター
驚くほど小型化されても性能は妥協しない。モーターに内蔵されたチップが回転数をモニターし最適なバッテリー効率も実現する。

小型化には、考え尽くされたパーツと、それを生み出す書き切れないほどの過程が存在する。製品化に2年が必要だったことも、その出来栄えから納得と言っていいだろう。

新製品とV11の大きさとパーツ数の比較
(左)Dyson Digital Slim™️ コードレス(右)Dyson V11/小型化しつつパーツも減らした違いがよくわかる。新商品はバッテリーが着脱でき、また液晶ディスプレイで使用中の吸引モードと「秒単位」の運転時間を表示する。

他者の視点で日本を見ることは、私たちにとっても気づきとなる。日本の生活環境を調査しダイソンが生んだ結果が本製品だ。ジョンは言う。

「まず、日本人のみなさんは、高い技術に関心があります。そしてゴミに対する意識がとても高い。ホコリがあるとすぐにきれいにしたいという意識です。そして小さい音を好み、取扱説明書もしっかり読んでくれる。掃除頻度が高く、目に見えないゴミまでしっかり取り除きたいという習慣を持っている。私たちはそんなニーズに応える製品にしたいと思っているのです。ニーズを特定し、自分に一番合うと思ってもらえる製品にするために時間をかけているのです」
次ページ > シンガポールへの本社機能移転を本人はどう考えている?

文=坂元耕二 写真=西川節子(モニター・比較・ラインナップ)

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事