絶対的な「安全」はない
ウイルス感染のパンデミックを乗り越え、感染の拡大を抑え込むためには、いくつかの基本的なことを覚えておかなければならない。それはまず、活動に「安全」なものも、「安全でない」ものもないということだ。つまり、どのような行動にも、リスクは多かれ少なかれあるということだ。
そのため、行動する前にリスクを見定め、その行動を取ることが自分にとって得策なのかどうか、またはリスクを軽減するためにできることがあるかどうか、判断する必要がある。
新型コロナウイルスの場合の高リスクの行動には、ほかの誰かと一緒にいることが含まれる。そのリスクは屋内にいることによってさらに高まり、人が多いほど、一緒にいる時間が長いほど、一層高くなる。マスクを着用していなければ、している場合よりも、さらに危険な状態になる。
残念ながら、問題を無視すれば、私たちが「普通」に戻れる可能性はますます低くなる。そして、私たちが避けたいと願う状況(経済的損害が出る、感染者・死者が増加する、移動が制限される、心理的ウェルビーイングや社会的つながりが失われる)は、必要以上に長く続くことになる──至って単純な話だ。過去を知ろうとしない人、または無視する人は、過ちを繰り返す運命にある。
違いを生み出すため、私たち全員にできることは、リスクを認識することだ。そして、そのリスクを減らすための対策を講じることだ。