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スタートアップ経済は世界全体で3兆ドル近い価値を生み出し続けているとはいえ、新型コロナウイルスによってかなりの打撃を受けている。パンデミックが到来する前であっても、状況は理想と大きくかけ離れていた。インクルージョンという根本的な課題は根強く残り、価値の創出はひと握りの都市に集中し、ウィーワーク(WeWork)やソフトバンクなどのテック大手は行き詰まりを見せていたのだ。

そしていま、新型コロナウイルスの感染拡大という予期せぬ事態が到来したことで、スタートアップ各社は、消費者需要の低下と、ベンチャーキャピタルからの投資減少に見舞われ、従業員を大量にレイオフせざるを得なくなっている。こうした状況を伝えているのが、スタートアップのエコシステム調査企業「スタートアップ・ゲノム(Startup Genome)」がこのほど発表した「グローバル・スタートアップ・エコシステム・リポート」だ。これによると、スタートアップにとってコロナ危機は、「大量絶滅」が生じる一大事になる可能性があるという。

2020年1月から3月までの3カ月間で、スタートアップがベンチャーキャピタルから調達した資金は大幅に減少し、世界全体でマイナス20%となった。中国だけを見ると50%減だ。大部分のスタートアップでは、需要も急減している。

リポートによると、コロナ危機が訪れて以来、売上が減少したスタートアップは72%に及び、売上の減少幅は平均で32%だった。懸念されるのは、売上が40%以上落ち込んだスタートアップの割合が40%もあったことだ。逆に、売上が大幅に増加したスタートアップは12%にとどまった。

地域別に見ると、コロナ危機が始まって以来、最大の悪影響を被ったのがアジアで、スタートアップの売上は39%減少。それに続くのがアフリカで、36%減だった。南米も32%の売上減となったほか、北米は31%減。ヨーロッパとオセアニアは、それぞれ27%と25%の売上減だった。

以下の表は、最も影響が大きかった世界的セクターの売上減少率を、リポートをもとに一部抜粋してまとめたものだ。世界のほとんどの地域では、旅行がいまだに禁止されているか、リスクが大きいものとされている。それを踏まえれば、旅行および観光分野の売上が最も大きく落ち込んでいるのは驚くにあたらない。このセクターは、ウイルスの感染拡大開始以来、マイナス70%となった。

自動車セクターも、新車需要が消滅したことで売上が大幅に落ち込み、43%減だった。それに比べて、テクノロジーセクターはこの難局をどうにか切り抜けている。業績への著しい悪影響は免れなかったとはいえ、他セクターに比べれば、深刻とまではいかない。細かく見ていくと、ソーシャルメディア&メッセージ系スタートアップの売上は22%減、ゲーム系は19%減、ブロックチェーン&暗号化技術系は14%減だった。

コロナ危機発生以降*、スタートアップの対象セクター別売上減少率

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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