一方、ドナルド・トランプ米大統領はこれまで、マスクの着用を義務づけたり推奨したりすることを拒んできた。しかし2020年7月1日に考えを翻し、人と接近する場ではマスクを着けることに賛成だと言い始めている。
ごく最近になって、公共広告を制作してマスクの着用を推奨し始めた地域には、米南部や南西部に位置する共和党寄りの州で、新型コロナウイルスの感染者が再び急増している州も含まれている。こうした急増について、当局者のなかには、ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)を実践せずマスクを着用しない人々を非難する者もいる。
マイク・ペンス副大統領は6月28日、これまでの態度を一変させ、マスクを着用するのは「いい考えだ」と言い始めた。トランプ大統領も、マスクの着用は認めたかたちだが、たとえ一時的でも全米規模での義務化は必要ないとの考えは崩していない。
アラバマ州は6月30日、マスク着用を推奨する一連の公共広告キャンペーンをスタートさせた。そこに登場しているのは、人気の高い「地元出身」著名人だ。たとえば、アメフトの元選手で、同州オーバーン大学のランニングバックとして大学最優秀選手賞であるハイズマン賞を獲得したボー・ジャクソン(Bo Jackson)や、NBAの元スター選手チャールズ・バークレー(Charles Barkley)が出演している。また、アラバマ大学アメフトチームのヘッドコーチを務めるニック・セイバン(Nick Saban)も、マスクを着用するよう呼びかける15秒と30秒のCMに登場している。
バークレーはあるCMで、次のように訴えかけている。「やあ、アラバマのみんな、ばかな真似はせずに、マスクをつけよう」
ほかの都市や州もここ最近、マスクの着用推奨キャンペーンを開始した。ネバダ州ラスベガスは、広告にセレブリティやカジノのパフォーマーを採用している。メリーランド州も6月25日から、「#MasksOnMaryland」キャンペーンと称して、ソーシャルメディアで呼びかけを開始した。