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Photo by Scott Olson/Getty Images

ウォルマートは、「All Lives Matter(みんなの命が大切)」のスローガンが印刷された商品の販売をとりやめる方針だ。一部の人がこのフレーズを使って、黒人の直面する「人種差別の痛ましい現実」を矮小化していることが理由だと、ウォルマートの担当者は説明している。

ウォルマートはこれまで、このフレーズが書かれたサードパーティ・ベンダーの商品を自社サイト上で販売していたが、6月30日、そうした商品を「無期限に」撤去することを明らかにしたと「USAトゥデイ」紙は報じている。

ウォルマートの声明によればこの決定は、フレーズの意味に対する懸念が、従業員からも客からも寄せられたことを受けてのものだという。

このフレーズが書かれた商品を撤去する理由は、一部の人が「All Lives Matter」というスローガンを使って、米国における人種差別を意図的に矮小化していることにあるとウォルマートは述べている。

ウォルマートは6月下旬から、このスローガンのさまざまなバージョンが印刷された商品を提供していることについて、ソーシャルメディア上で批判を浴びていた。「All Lives Matter」だけでなく、「Blue Lives Matter(警官の命も大切)」、「Irish Lives Matter(アイルランド人の命も大切)」などと書かれたTシャツもあり、批判する人たちは、そうしたスローガンは「Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター、黒人の命も大切)」運動を揶揄するものだと指摘していた。

6月30日午後の時点では、米国のサイトにはまだ、同様のフレーズが書かれたデザインの商品が掲載されていた。

ウォルマートは6月23日、南部連合旗を販売しないとした2015年のポリシーを拡大し、ミシシッピ州旗の店舗内展示をやめると発表していた。そのわずか数日後には、ミシシッピ州議会が現行の州旗(南軍旗のデザインをそのままあしらうもの)を変える法案を可決している。

ウォルマートはUSAトゥデイに対して、声明を通じて「当社は基本的に、すべての命が大切であり、すべての個人は尊重に値すると確信している」と語っている。「だが、当社に寄せられた意見にもあったように、現状では、すべてとは言わないが一部の人たちが、人種差別の痛ましい現実に対する注目を意図的に小さくするために『All Lives Matter』のフレーズを使っていると理解するに至った」

ミネソタ州ミネアポリスで起きたジョージ・フロイドの死をきっかけに、米国では人種差別に反対する抗議活動が再燃。それを受けて過去のポリシーを変更する企業が相次いでおり、ウォルマートもそれに続いた格好だ。黒人男性のイラストを商標とする米飯ブランド「アンクル・ベンズ(Uncle Ben’s)」などのブランドは、ブランド戦略が人種的なステレオタイプに基づいていると批判されたことから、マーケティング方針の転換を進めている。

黒人女性のイラストをあしらったパンケーキミックスやシロップのブランド「アント・ジェマイマ(Aunt Jemima)」のパッケージについても、ブランドを所有するペプシコ傘下のクエーカーオーツ(Quaker Oats)が6月に全面的な変更を表明している。

6月下旬には、ビールのブランド「ディクシー・ビア(Dixie Beer)」と、テキサス州出身のカントリーバンド「ディクシー・チックス(Dixie Chicks)」が、南北戦争時代の南部州の愛称であり、奴隷制を想起させる「ディクシー」という単語を名称から外すと発表した。

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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