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ロケットラボCEOのピーター・ベック(Photo by Phil Walter/Getty Images)

小型人工衛星の打ち上げ分野のリーダーを目指す「ロケットラボ(Rocket Lab)」は7月5日、ニュージーランドの施設から打ち上げを行ったが、機体にトラブルが発生し行方不明となり、失敗に終わった。

米国本拠のロケットラボは、ニュージーランドのマヒア半島の発射台から、「Pics Or It Didn’t Happen」と呼ばれる打ち上げミッションを行った。今回の打ち上げにあたり、同社のエレクトロンロケットは、日本のキヤノン電子の人工衛星「CE-SAT-IB」に加え、英国のIn-Space MissionsのFaraday-1衛星、さらに米国企業Planetの5基の衛星を搭載していた。

エレクトロンロケットはこれらの衛星を地上500キロの軌道上に送り込む予定だった。しかし、定刻通りに発射が行われた後、2段階目の燃焼時に機体トラブルが発生した模様だ。

ロケットラボはツイッター上の声明で、「トラブルによって衛星が失われた」と述べた。「エレクトロンロケットの顧客らに対し、非常に申し訳なく思う。2段階目の燃焼時に不具合が発生した。詳細は追ってお伝えする」

問題はフライトの開始から約4分後に発生し、ロケットからのライブ映像は中断した。その後、ロケットのスピードは低下し、高度も低下した後に、打ち上げの失敗がアナウンスされた。

ロケットラボCEOのピーター・ベックはツイッターで、「顧客らの衛星を軌道に送り込むことが出来ず、非常に残念だ。原因の究明にあたり、なるべく早期にプロジェクトを復活させる」と述べた。

トラブルの原因は不明だが、ロケットラボは3年以上前にフルオペレーションを開始させており、今回が初の商用オペレーションでの失敗となった。

これ以前にロケットラボのロケットは、11回連続で軌道への到達に成功していた。これまでの唯一の失敗は、初の打ち上げの2017年の事で、その際は打ち上げには成功したものの、通信トラブルの発生により軌道への到達には至らなかった。

その後、ロケットラボは、小型衛星の打ち上げ分野で主導権を握ることを目指してきた。同社の全長17メートルのエレクトロンロケットの打ち上げコストは1回あたり570万ドル(約6億1000万円)で、最大重量150キログラムの衛星を高度500キロの軌道に送り込んできた。

NASAの月ミッションにも参加予定


同社は現在、ロケットの第1段目の再利用に取り組んでおり、パラシュートで降下してきた第1段目をヘリコプターで捕獲しようとしていた。ここ最近の打ち上げで得られたデータから、同社はその目標に近づきつつあった。

ロケットラボは月に向けた打ち上げにも意欲を示しており、NASAが2021年の早い時期に実施する月ミッションにも参加する予定だ。さらに、今年の後半にはヴァージニア州の新たな発射場からの打ち上げも計画している。

今回のロケットラボの打ち上げの調整役を務め、キヤノンの衛星の搭載をオーガナイズした米国企業のSpaceflightは、「今回は非常に残念な結果になったが、今後もチームを支援していく」と述べた。

「当社はエレクトロンの技術を信頼しており、今後の打ち上げでは成功を収めることを期待している」とSpaceflightは続けた。

編集=上田裕資

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