カニエ・ウェストの大統領選出馬はトランプに追い風なのか

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アルバムの告知目的か?


しかし、最新の世論調査の結果から、ウェストの出馬によって不利になるのは、バイデンではないという見方が浮上している。ウォール・ストリート・ジャーナルやNBCニュースの世論調査で、50歳以下の黒人の間でのバイデンの支持率は70%で、トランプは17%だった。また、ウェストは民主党支持者の間で不人気であることから考えて、彼はバイデンよりもトランプからより多くの票を奪うと考えられる。

ただし、ウェストが実際に大統領選挙に出馬できるかどうかはかなり怪しい状況だ。11月の選挙まで4カ月を切っており、主要な州では既に立候補の受付が終了している。

しかし、知名度の高い第3の候補が、選挙戦に多大な影響を及ぼした事例は過去にもあった。実業家のロス・ペローが、1992年の大統領選に独立系候補として出馬した際には、得票率19%という予想外の大健闘を見せ、保守派の支持を取り込んだことで、民主党候補のビル・クリントンが共和党の現職ジョージ・H・W・ブッシュに勝利することとなった。

一方、ウェストのこれまでの行動から考えて、大統領選への出馬宣言がアルバムのプロモーション目的だと指摘する声も多い。彼は先日、「God’s Country」と題したニューアルバムを発売するとほのめかしていた。

編集=上田裕資 写真=Getty images

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