ツイッターは7月2日、「マスター」や「スレーブ」「ブラックリスト」という用語をそれぞれ、「grandfathered」「man hours」「sanity check」に置き換えると宣言した。
ロイターによると、JPモルガンは金融業界で初めて、これらの人種差別的な用語をプログラムから排除するという。
ただし、今回のツイッターやJPモルガンの先例となったのは、GitHubだった。同社のCEOのNat Friedmanは6月に、Black Lives Matter運動を支持する立場から、プログラムの分岐構造に用いられるマスターという用語を、メインに改めると宣言していた。
マスターやスレーブという用語の妥当性が問われるのはこれが初めてではない。プログラミング言語のPythonにおいては、マスター/スレーブの用語は2018年に廃止されていた。さらに、Drupalのコミュニティにおいては2014年からこれらの用語をプライマリー/レプリカで置き換えていた。
さらに、2003年にロサンゼルス郡は、企業らに対しコンピュータ機器上でマスター/スレーブの用語を用いないよう呼びかけていた。
ツイッターのエンジニアリングチームは7月3日の声明で次のように述べた。「企業カルチャーを創り上げる上で、インクルーシブな用語を用いることはとても重要だ。ツイッターは、これまでコード内で用いてきた用語が我々の価値観に沿ったものではないと判断した。これを改めることにする」
ツイッター社内で今回の動きを主導したのは、黒人エンジニアのRegynald AugustinだったとCNETは報じている。彼は同僚のKevin Oliverらと共に今年1月から用語の置き換えを始めたが、Black Lives Matterムーブメントの高まりがその動きを加速させたという。
レイシズムを想起させる用語の置き換えは不動産業界にも拡大している。ヒューストンの不動産協会は先日、「マスター・ベッドルーム」という用語が奴隷制度を想起させるとの顧客からの苦情を受け、「プライマリー・ベッドルーム」に置き換えていた。