若い世代が、年配の人々を「コンデ」かどうか判断するキーワードがいくつかある。その一つが「Latte is a horse（라때는 말이야）」。「나때는 말이야（俺の〈若かった〉時はなあ）」が変形した言葉だ。日本の年配者もよくやりがちな、「昔の武勇伝語り」だ。これを言い始めると、「あの人はコンデ」というレッテルを間違いなく貼られる。
また、「今晩、軽く一杯どう？」というような誘いも禁句だ。ミレニアル世代はワーク＆ライフ・バランス（韓国では頭文字を取って、ウォラベルと呼ぶ）を重視する人が多く、会食を嫌う傾向にある。ミレニアル世代は小さな頃から、スマートフォンひとつで充実したオンライン社会を楽しんできた。自分の独立した世界を持っていて、集団主義などを極端に嫌うのだという。
韓国では2000年くらいまでは、集団主義が当たり前だった。知り合いの韓国外交官によれば、課長が一言、「今日は良い天気だな。一杯やりたいな」とつぶやけば、課員は一斉に廊下に飛び出したという。自分の日程を調整するためだ。そして、しばらくすると、課長代理が「課長、準備できました」とさりげなく報告していたという。
飲み会は必ず、韓国焼酎のある店。そこでしたたかに飲んだら、カラオケに行き、3次会はビールで胃を洗浄して帰るというのがおきまりのパターンだった。最近の韓国外交省では、会食は一次会のみで、ワインがある店で食事中心にやるのが普通になっているという。
日本の場合、年功序列型賃金体系が、かろうじて残っていることもあり、年長者の言葉に従う文化は多少残っている。永田町のような場所では、今でも議員は当選回数によって厳然とした序列ができている。ただ、韓国では中小企業で働く人や非正規雇用者も多いことから、こうした文化が速い速度で破壊されているようだ。
また、国連人口基金（UNFPA）によれば、韓国女性１人が生涯に出産すると予想される子どもの数（合計特殊出生率）は1.1人で調査対象198カ国のなかで最下位だった。少子高齢化社会の問題を抱えるなか、韓国社会はミレニアム世代を腫れ物に触るように扱っている。
