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2020.07.06

欧州で注目「自転車のサブスク」企業、Swapfietsの躍進

(c) Swapfiets

自転車版のネットフリックスと呼ばれる「Swapfiets(スワップ・フィーツ)」は、定額制の自転車の乗り放題サービスを提供している。オランダ発の同社はドイツやデンマーク、ベルギーに事業を拡大した後、7月2日にロンドンやミラノ、パリへの進出をアナウンスした。

Swapfietsは鮮やかなブルーの前輪が印象的な専用自転車を貸し出し、不具合が生じた際にはオンデマンドの修理サービスも行っている。当初はシングルギアの車両のみで始動した同社のサービスは現在、電動自転車も提供中だ。

「月額制の自転車という新たな移動ツールを、都市の住民にアピールしていきたい」と、SwapfietsのマネージングディレクターのMarc van Pappelendamは話す。同社は欧州の各国で約20万人の会員を抱えている。

「大都市の交通問題を解決する上で、主要な移動ツールを自動車からモダンな個人向けモビリティに変えていくことは非常に有効だ」と同社は述べている。

Swapfietsは2014年にオランダのデルフトで設立された企業で、fietsはオランダ語で自転車を意味している。4人の学生起業家らが自己資金で始めた同社は、オランダのグリーンテクノロジーに特化したベンチャーキャピタルPonoocからの資金で事業を拡大させた。

Swapfietsの自転車は今や、アムステルダムやコペンハーゲン、ブリュッセルやベルリンなどの都市でおなじみとなった。オランダにおけるスタンダードモデルの車両の月額費用は15ユーロで、ラグジュアリーモデルは19ユーロとなっている。

欧州の都市部では車や自転車を所有せず、必要な時にレンタルするライフスタイルが広まり、Swapfietsはそのトレンドを追い風としている。MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)系の企業としてはカーシェアリングのZipcar(ジップカー)なども知られている。

そんな中、SwapfietsはBaaS(バイシクル・アズ・ア・サービス)系企業として存在感を高めている。同社は現在、ベルリンで電動スクーターのレンタル事業のトライアルを実施中だ。

編集=上田裕資

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