ビジネス

2020.07.05

セカンドハウスの需要増で活況を呈する米高級住宅市場

カリフォルニア州パームスプリングス(Photo by Taylor Simpson on Unsplash)

不動産情報サイト「リアルター・ドット・コム(Realtor.com)」が、高級住宅市場の最新動向を伝えている。同サイトの経済調査ディレクター、ハビエル・ビバス(Javier Vivas)によると、2020年5月時点での数字は明るいものだ。

「高級住宅のバイヤーが完全復活を遂げていることを示すデータを見て、わたしは驚いた」とビバスは述べる。株式市場が依然として不安定であることが要因となって、高級住宅市場が動いているとビバスは見ている。「株式市場に対する信頼感が、今は薄れている。高級住宅のバイヤーたちは、投資の対象として、そして休暇を過ごす別荘として、セカンドハウスの購入に価値を見出している」

リアルター・ドット・コムによると、2020年5月の住宅市場では、高級住宅部門が住宅価格中間値の伸びを牽引。1年前の2019年5月比で1.6%増となった。5月は米国の大部分で自宅待機命令が出されていたが、販売価格が100万ドルを上回る住宅のオンライン検索数は、前年5月と比べて7.3%増加した。しかもこれは、前月の4月に検索数が前年比で9.5%減少したあとの数字だ。

ニューヨーク州では現在、マンハッタンの高級住宅市場が大打撃を受けているが、都市部を一歩出れば、郡部ではロングアイランドを中心に、5月のオンライン閲覧数が増加している。リアルター・ドット・コムは、価格が100万ドルを超える住宅1件あたりの閲覧数の、前年同月比増加率に着目した。

たとえば、ハンプトンズ(Hamptons)と呼ばれる人気の高級住宅地があるニューヨーク州サフォーク郡では、閲覧数が72%増加した。高級住宅の不動産価格も、前年同月と比べて8.2%上昇している。参考までに、ハンプトンズにある100万ドル未満の住宅の現在価格を紹介すると、アマガンセット(Amagansett)の集落にほど近いイースト・ハンプトンに位置する「ファームハウス」は99万5000ドルだ。

同じく、2019年5月と比べてかなりの活況を呈しているのが、ニュージャージー州海沿いのオーシャン郡だ。閲覧数は18%増え、高級住宅の販売価格は25%上昇して平均175万ドルとなっている。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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