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I cover the business of fashion in Europe

Photo by Christian Vierig/Getty Images

株式、債券、不動産──。分散投資の対象を検討するとき、その選択肢に間違いなく高級ブランドのバッグが入ると考えている人は、多くはないかもしれない。だが、検討してみる価値は確かにあるといえそうだ。

美術品やアンティーク、収集品の取引市場の分析を行う英アートマーケット・リサーチ(AMR)によると、高級バッグを投資対象としてみた場合、その収益性は現在、美術品やクラシックカー、希少価値の高いウイスキーなどを上回っている。

例えば、エルメス、シャネル、ルイ・ヴィトンなどの一部の高級バッグの価値は、過去10年間に平均83%上昇した。コインと初版本の価値は同じ時期に、それぞれ21%、42%上昇。ファッションアイテムで投資の対象といえばまず思い浮かぶ腕時計の価値の上昇率は、72%だった。

AMRの報告書によれば、2019年にオークションに出品され、落札された高級ブランドバッグの数は3500を超え、落札額は合計およそ2640万ポンド(約35億円)となっている。

最も人気の高いバッグは、エルメスのバーキン「ヒマラヤ」。世界で最も収集価値が高いバッグとされるクロコダイルスキンのこのバーキンは、ホワイトゴールドとダイヤモンドの装飾が施されたタイプに2017年、史上最高値となる約290万香港ドル(約4000万円)がつけられた。過去に競売にかけられたエルメスのバッグのうち、最も高い値段がついた10個はすべて、クロコダイルのバーキンだ。

それでも、バーキンの価値の上昇率は、10年間で93%。エルメスのケリー(グレース・ケリーにちなんだ名称に変更されたことで有名)は129%だ。さらに、シャネルのフラップバッグの価値はこの間に、132%上昇している。

値上がりはまだまだ続く?


入手が難しいこれらの高級バッグは、手に入りにくくなるほど人気が高くなる。エルメスのバッグの生産数は非常に限られており、入手するまでに何年も待たなければならない。そうしたバッグが再販市場に出てくれば、すぐにも手に入れるため、小売価格の2〜3倍を喜んで払うコレクターも多い。

さらに、高級バッグを集めることに情熱を傾け、合わせて数百万ドル相当にもなるバッグを所有している人も多数いる。そして、これらの人たちは購入したバッグを手放したがらない。つまり、需要と供給のバランスは当面、転売目的で買う人たちの味方をしてくれると考えられる。

新型コロナウイルスの感染拡大により、各地でロックダウン(都市封鎖)が実施されているなか、競売大手クリスティーズは高級バッグのオークションを行った。出品されたバッグはすべて落札され、落札価格は総額134万ポンドに上った。もちろん、これらのなかにはヒマラヤも含まれており、予想落札価格の2倍以上に当たる12万5000ポンドの値が付いたという。

編集=木内涼子

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