「こんなビール、あったらいいな」という熱い想いを持った人から、つくりたいビールのアイデアを応募し、サッポロビールのブリュワー(醸造技術者)と一緒に試作品をつくり、商品化を目指すという、ビール好きにはたまらないプロジェクト『HOPPIN’ GARAGE』が始まったのは、2018年10月でした。
これまで16種類の個性あふれる試作品が誕生し、このたび2020年6月30日に、第5弾となるオリジナルビール「おつかれ山ビール」が発売となりました。このビールをつくったのは、登山アプリを手がけるYAMAPに所属している前田央輝(まえだひろあき)さんです。
「おつかれ山ビール」発案者の前田央輝さん
『おつかれ山ビール』アウトドアアクティビティ好きの皆様に送るビール
『HOPPIN’ GARAGE』の第5弾商品として発売となった「おつかれ山ビール」。開発者の前田央輝(まえだひろあき)さんは、「お酒と自然と子どもをこよなく愛するフーテンのアウトドアガイド」。ヒゲ隊長のあだ名通り、立派な髭をたくわえ、ユーモア満載、笑顔がやさしい方です。
山登りやアウトドアにぴったりなビール
「おつかれ山」って、どこかにある山? 山のビールってどんなビール? と、疑問が次々と沸いてきます。前田さんに「おつかれ山ビール」のコンセプトについて聞いてみました。
開発当初の想いを語る前田さん
「2018年に北アルプスの白馬岳の山小屋で飲んだビールが最高においしかったんですよ。目の前に雲海が広がった見事な夕焼けでした。シチュエーションが最高だったのもビールのおいしさを後押ししています。あのときの感動を再現したいと思いました」
「僕が鹿児島出身で、YAMAPが福岡にあるので、九州にゆかりがあるものを材料に使いたい。いろいろ考えて行きついたのが大分県の“かぼす”です。そして、山登りやアウトドアでは塩分を補給するので、それをヒントに塩味をちょっと加えてもらいました。やさしい飲み心地になるよう、アルコール度数は3%と低めにしています」
ベルジャンホワイトのスタイルをイメージしています。通常のベルジャンホワイトスタイルで使うオレンジピールの代わりに大分県産のかぼすを使用しています。
自分が企画したビールが商品として発売されることが決まって、前田さんはどんな気持ちでしたか?
「そのときは、半信半疑で実感がなかったんですよ。こうやって缶ビールとなって製品として出来上がってくると、試作品をお披露目したときの300%うれしいですね。感動しました!」
2019年の試作品が完成した時のお披露目会。この時はまだ商品化されると決まっていませんでした。とても楽しそうな前田さん。