2016年創業の同社は、従来型の保険ビジネスを破壊し、モバイルアプリを通じてミレニアル世代向けかつ消費者志向の商品を展開。人工知能(AI)とチャットボットを使い、賃貸住宅や持ち家に向けた保険を提供している。
同社は1100万株の放出に加え、引受業者に対して165万株をIPO価格で追加購入できる30日間のオプションも付与。公開価格での調達額は最大3億6700万ドル(約395億円)となり、時価総額は16億ドル(約1700億円)に達する計算だ。
ただこの評価額は、2019年4月にソフトバンクなどが同社に出資した際の額(21億ドル)を下回っている。ソフトバンクは、過大評価されていたウィーワークやウーバーに出資するなど、投資面での失敗が続いているが、レモネードは今のところ、そのトレンドにあらがっているようだ。
一方で投資家にとっての懸念は、レモネードの黒字化の見通しだ。同社の収支は2018年が売上高2250万ドルに対し損失が5300万ドル、昨年は売上高6700万ドルに対し損失が1億850万ドルだった。同社は、若く経験の浅い顧客(同社顧客の70%以上が35歳未満、90%が初めての保険購入者だ)にターゲットを絞ることで、黒字化への道が開けるとみている。