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尾原和啓氏(左) KiNG氏(中央) 青砥瑞人氏(右)

新型コロナウイルスをきっかけに、これまでのロジックだけではサバイブできぬ時代を迎え、私たちは何をどう見て、考え、未来に備えたらよいのか。

企業、経済、社会。全てのフォーマットが変容を求められる未曾有の世界に対応するため、各界の識者から智恵を集結、「アフターコロナのニューノーマル」と題し、シリーズでお届けする。

今回は、フューチャリストの尾原和啓氏、アーティストでデザイナー、プロデューサーでもあるKiNG氏、DAncing EinsteinファウンダーCEOの青砥瑞人氏に伺った。


──コロナにより、コミュニケーションがオフラインからオンラインにシフトしています。IT評論家でもある尾原さんの見方は?

尾原:李開復(リ カイフ)がAIに置き換わらない能力として、クリエイティブな意思決定能力とcompassion(思いやり)を挙げています。やはり最後は人と人だから、オンラインファーストになればなるほどcompassionは重要になると思います。

KiNG:1度も会ったことのない人とチームになり仕事を進めるうえで、カオスを受け入れられるかどうかが重要だと感じています。うまくまとめなくて良い。排除したところに未来のタネがあると思うので。今は、違和感や空気感を感じる力、そしてチャーミングさが大事だと日々思っています。

──オンラインで共感やその場の空気感を伝えることは可能?

青砥:先日オンライン面接を行ったのですが、採用基準の第1スクリーニングを「ポカポカ度」として、採用担当者に感覚値をとってもらいました。ポカポカ度とは、喋っているとなんかポカポカしたなという感覚。オンライン上で非言語的なコミュニケーションができるのか不確かでしたが、素敵な方を採用できました。感情の情報は顔にあらわれるので、顔が見える限り、メインとなる感情的なコミュニケーションはオンラインでもできると思います。

尾原:採用といえば、Googleでもかつては採用基準に「Googly(Googleらしさ)」がありましたよね。僕ららしいって何だろう? と自問自答し、ビジョンやアイディアを醸成できる会社は、このニューノーマルの中で圧倒的に伸びていくと思います。

──危機感を醸成してきた日本人が、カオスの中でイノベーションやクリエイティブな戦略に足を踏み入れるためのヒントとは?

KiNG:周りを見ていると、向き不向きがあると感じています。カオスを楽しめる人たちがある程度旗を振り、彼らを中心に輪を広げていくのが良いかなと。

青砥:世界のブレインたちが、あらゆる能力の根源として大事な能力に「メタ認知」を挙げています。これは、自分のことをみる能力のこと。成功体験を積み重ね、自己と向き合うことで、不確かな状況でも前を向ける脳が育まれるんです。カオスの中で、そのカオスを味わいつつも自分なりにリアクションし、そこから何を見出せたかを考えることが大切だと思います。

──ビジネスとアートの共通点は?

青砥:成功している経営者が、芸術に莫大なお金をかけることがありますよね。なぜ彼らが芸術に価値を見出すのかというと、曖昧ななかで経営をするときと抽象世界を新たにつくるときに、同じangulargyrus(角回)という脳の部位が使われている可能性があるからなんです。よくわからないものをわかろうとしている状態こそ、アートとの接点。この脳機能はクリエイティブに繋がるという意味でも大切になってくると思います。

KiNG:面白い! 実は、世界的に認められているアーティストって、アートコレクターでもあるんです。自分と向き合いながら、常に同年代や過去の作品からわからないものを見出し、自分の中で気づきを得るという作業を繰り返しているんですね。

文=伊藤みさき 構成=谷本有香

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