WeGrowは、1年間の学費が2万2000ドルから4万2000ドルの私立小学校で、ニューヨークのチェルシー地区に立つWeWorkの本社ビル3階にキャンパスがある。しかし、昨秋WeWorkのIPOが中止されたことを受け、閉校に追い込まれていた。
関係者によると、ニューマンは6月初めにWeGrowのカリキュラムの権利を買い取ったという。WeGrowには、昨年10月に事業閉鎖が発表された時点で約100人の生徒が在籍していた。
本件についてニューマンにインタビューを申し込んだが、取材拒否の回答を受けた。彼女の広報担当者であるAsher Goldは財務情報の開示を拒否した。
ニューマンは、WeGrowのカリキュラムを用いて、「SOLFL(Students of Life For Life)」という新たな学校をリローンチする予定だ。Goldによると、ニューマンはWeGrowの教師だったAlexandra Duvallと組み、リモート学習と実地学習を組み合わせた新たな教育法を構築し、9月からグローバルに展開する計画だという。
学校事業の再興を目指すニューマン夫妻だが、夫のアダムは現在大きな法廷闘争の最中にいる。先月、アダムはWeWorkの筆頭株主であるソフトバンクが、約30億ドル相当の株式買い取り計画を撤回したことを巡って、他の株主と一緒にソフトバンクを提訴した。ソフトバンクは、事前に決めた条件を満たさなかったことを撤回の理由に挙げている。
こうした混乱の中、WeWorkは不動産業界のベテラン経営者、Sandeep Mathraniが新CEOに就任し、生き残りを賭けて地主とリース契約の再交渉を進めている。
WeGrowは、WeWorkの評価額が200億ドル(約2兆1500億円)だった頃に設立された。ニューマンは、我が子を通わせる良い学校がニューヨーク市内に見つからず、自ら学校を設立することを思い立った。同校のカリキュラムには、ヨガと瞑想を組み合わせたマインドフルネスや、子供たちに起業家スキルを教えるプログラムなどが含まれている。
ニューマン夫妻は、2017年に立ち上げたWeGrowが「世界の意識を高める」という同社のミッションを推進する上で重要な役割を果たすと考えていた。一方で、ボルダリングの壁の設計にデンマーク人の著名建築家ビャルケ・インゲルスを雇うなど、費用を惜しみなく使ったため、本業の妨げになると一部からは批判された。