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Fivetran CEOのGeorge Fraser(左)とCOOのTaylor Brown(右)/ (C) Fivetran

巨大なデータをクラウドに転送するのは骨が折れる作業だが、その作業を自動化するスタートアップ企業が、パンデミックを追い風にユニコーンの地位に駆け上がった。

カリフォルニア州オークランドのソフトウェア企業「Fivetran」は6月30日、シリーズC資金調達で1億ドルを調達したとアナウンスした。今回の調達を主導したのは、アンドリーセン・ホロウィッツとゼネラル・カタリストで、既存出資元のCEAS Investmentsとマトリックス・パートナーズも参加した。Fivetranの評価額は12億ドル(約1290億円)とされた。

Fivetranは企業がデータをクラウドに転送する際に用いるソフトウェアを提供しており、パンデミック後のクラウド需要の高まりを受けて、事業を急拡大させている。クラウド分野ではアマゾンのAWSのような大手だけでなく、先日ユニコーンの仲間入りを果たしたタスク管理アプリのNotionなどが飛躍的成長を遂げている。

ゼネラル・カタリストでFivetranへの出資を率いたTrevor Oelschigは、「我々は今、データのクラウド管理が進む巨大な過渡期にさしかかっている」と述べた。

設立当初のFivetranは、データの分析やビジュアル化を行う垂直統合型のシステムを考案し、2013年にYコンビネータから支援を受けていた。しかし、その後は経営に苦戦し、事業領域をデータ転送の自動化にフォーカスしたことが今日の成功に結びついたという。

同社の共同創業者でCEOのGeorge Fraserは、子供時代からの友人でCOOを務めるTaylor Brownと共に事業を立ち上げた。「様々な試行錯誤を重ねた結果、データの統合化こそが求められているソリューションであることに気づいた」とFraserは話す。

Fivetranは約1100社の顧客を抱え、その中にはClassPassやDatabricks、DocuSignなどの著名企業が含まれている。同社の自動化ソフトウェアは、デジタルのパイプライン的役割を果たし、セールスフォースやGoogle Adsなどのインハウスのデータを取り込み、クラウドベースのストレージに効率的に送り込む。

今回の資金調達によってFivetranの累計調達額は1億6300万ドル(約175億円)に達した。同社は前回のシリーズBで4400万ドルを調達していたが、その際もアンドリーセン・ホロウィッツが幹事を務めていた。

現在350人を雇用するFivetranは、新たな資金でマーケティングを拡大し、システムを増強し、グローバル進出を加速させるという。同社は先日、オーストラリアとドイツに拠点を開設した。

Fraserによると、大手企業らは活発なテクノロジー向けの投資を行ない、データのクラウド移転を進めており、それがFivetranの売上増につながったという。一方、小規模な企業はテクノロジーに十分な資金を注げていないという。

パンデミックを受けて同社の売上の成長スピードはわずかに低下したが、5月までの1年間の売上は前年比129%増の3000万ドルに達したという。ただし、Fivetranは黒字化を達成できていない。

Fivetranの累計調達額は、この分野の競合らを上回っている。英国のMatillionはカスタマイズ性の高いソフトウェアが売りだが、累計調達額は6000万ドルとなっている。もう1社のStitchDataは2018年にTalendに6000万ドルで買収されていた。

ゼネラル・カタリストのOelschigは将来的にFivetranがIPOを実施すると述べたが、時期は明確にしなかった。「この分野からは複数の巨大企業が生まれている」とOelschigは話した。

編集=上田裕資

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