世界38カ国、800万人が愛読する経済誌の日本版


品質の自信が夢を広げる


「品質には自信があった」と、小菱の言葉の通り、商品の成分や分量の変更指示は一切なく、そのままの商品が最初の試験の対象となった。動きだしたプロジェクトは、順調に一次審査を通過(2019年2月)。製造する大和工場(東京都東大和市)にJAXAが立ち入り検査し、合格(2019年3月)。そして、Pre 宇宙日本食として認証を取得し(2019年10月)、今回、正式な認証取得となった。

同社の安全管理が行き渡っているという大前提はあるが、相当厳しいJAXA基準において、「ミルク生活」は成分の見直しがなかった。つまり、そのままの味を宇宙空間で楽しめるのだ。製造を開始して100年間の研究や商品開発で積み重ねから生まれた「ミルク生活」が宇宙に行くのは、とても印象深い。

チームリーダー小菱の写真

「そういえば、NASAが計画している有人月飛行の『アルテミス計画』で知りましたが、月の裏側には多くの水があるようですね。いつかは、その水で『ミルク生活』を堪能してみたい。夢は広がります」

本当にそうなるかはまだ先の話ではあるが、粉ミルクというシンプルな栄養食品は夢が広がるばかりだ。そして普段目にする商品が宇宙に行くという話を聞くと、地上で当たり前のように存在する「商品競争」が、そう遠く無い時に、品質を競う企業によって宇宙でしのぎを削る時代が来るのかも知れない。

文=上沼祐樹

PICK UP

あなたにおすすめ

合わせて読みたい