表現力をよくするレシピ

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会いたかった人に、しばらくぶりにリアルで会えてよかった。コロナ禍での外出自粛が解けて、こんな感想を持った人も多かったのではないだろうか。

人と直接会うことは、実は貴重な機会なのだという認識が、今回、あらためて私たちに生まれた。そして、これは、これからの私たちのニューノーマルになるにちがいない。

それに伴い、実際に会っている時間に、相手の情報を正確に読み取るスキルも注目されてくる。どんな点に留意して、相手をきちんと理解していったらいいのか、そのヒントを紹介しよう。

身体的特徴に惑わされるな


私たちは、人と接するときに、防御本能から、まず自分にとって相手が安全かどうかを確かめる。次に、自分にとって益となる相手であれば、関係性を深めるために人柄を想像する。

このとき、相手の身体的特徴が強烈だと、人柄や能力を勘違いしやすい。

たとえば、野球チームをつくるとしよう。がっちりした体型の人は安定感がありキャッチャー向きだと考えてしまう。こうした思い込みによるミスは多い。当然だが、実際は見た目通りとは限らない。外見と資質は同じではないのだ。

こうした先入観は、何かの強い経験によって刷り込まれている。あるいは、単に子どもの頃から親しんでいたアニメや映像で画一的に描かれた人物像の記憶のせいだったりする。 

外見の特徴が強い人は、誤ったイメージを周囲から持たれていることが多い。なので、こういった場合は、少なくとも間違った先入観で相手を見ないように努めるべきだ。

服装自体よりも身だしなみを見よ


人柄を推測するのに、重要となるのが服装だ。服装は、相手が自分をどう見せたいと考えているのか、それがわかる社会的化粧とも言える。しかし、ここでも勘違いは起こる。

私たちは、服装から、職業、役職、立場、収入などを想像したりする。それは、たいていは自分が知っている服を基準にしている。自分が良いと思えるものを身に着けていれば、信頼できる人と考えやすい。

ところが、相手が、自分が日頃あまり目にしない服を着ているケースが多い海外などでは、相手の情報など見当もつかないものになる。

相手の人柄を見るときに重要なのは、服装自体ではなく、服装における身だしなみだ。どんな服でも、清潔感があり、きちんと着こなしている人は、自分に肯定的な証拠だ。それは信頼するに値する相手の情報となるだろう。

相手の動作を見極める


さらに人柄をわかりやすく表出するのが動作だ。

からだの動きは、常に心と調和をとろうとしている。服装の身だしなみに隙がなくても、挙措を失っていたら、いつものその人ではない状態だと想像できる。目の前で感じられる人柄は、あなたに会うために、特別に用意したものかもしれない。相手の動作から、そこを見極めることが大切だ。

リアルで人と会うのは、相手の評価をしたり、コントロール下に置いたりするのが目的ではない。思い込みを排除して、その人の真の姿を理解することが重要だ。それには、ともかく自らの先入観で相手を判断しないようにするのが、最低限のマナーとなるにちがいない。

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文=中井 信之

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